米Microsoftと欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は米国とベルギーでそれぞれ現地時間10月22日,Microsoftの競争法(独占禁止法)違反を巡ってECが2004年に下した決定に,同社が完全遵守することで合意したと発表した。

 ECは,Microsoftが欧州市場におけるパソコンOSの独占的立場を悪用し,サーバーOSやメディア・プレーヤの販売に関してEU競争法に違反したとして,4億9720万ユーロの罰金支払いを含む是正措置を2004年3月に決定。競合他社の製品がWindows搭載パソコンやサーバー上で完全な互換性を確保できるようWindowsのインタフェース情報を開示するなどの業務改善を求めた(関連記事:ECが対米Microsoftの制裁措置を正式発表,罰金4億9720万ユーロ)。

 これに対してMicrosoftは同年6月,是正内容を不服として第一審裁判所に提訴(関連記事:米Microsoft,競争法違反をめぐるECの決定を不服として提訴)。しかし,第一審裁判所は今年9月に,Microsoftの申し立てを棄却し,ECの決定を支持する判断を下した(関連記事:MSの競争法違反問題,欧州司法裁判所がECの是正命令を支持)。

 今回Microsoftは,第一審裁判所の判決に対して上訴しないことを表明した。ECと建設的な話し合いを行い,(ECの決定に従うために必要な)追加の措置について合意。ECは,追加措置の主な内容が,(1)オープンソースのビジネス・モデルに対応したライセンス条件への変更,(2)オープンソース開発者に課すロイヤリティを1万ユーロの1回払いに減額,(3)特許ライセンスのロイヤリティ率を0.4%に設定---であることを明らかにした。

[発表資料(Microsoftのプレス・リリース)]
[発表資料(ECのプレス・リリース)]