数多くのロボットがサッカーや格闘技などの競技を繰り広げる「アキバ・ロボット運動会2007」が2007年10月20~21日、東京・秋葉原のダイビルで開かれた。自慢の機体を持ち込んだロボットファンが競技で対戦したほか、会場ブースでは関連企業や教育機関が最新ロボットを展示した。子供から年配の方まで幅広い観客が訪れ、競技に声援を送るとともに、ロボットとのふれあいを楽しんでいた。
会場には大きなステージが設置され、ここでは1日目にサッカー競技が開催された。幅4.5mのコートで、1チーム3台のロボットがゴールを奪い合う。近藤科学のロボットキットKHRシリーズで参加できる「KHRクラス」と、改造機や自作機で参加できる「オープンクラス」に分かれた。各クラスはAリーグとBリーグに分かれ、勝ち点の多いチームが優勝決定戦を行った。
KHRクラスの優勝は日本工学院八王子専門学校チーム。リーグ戦と決勝戦を通して、どの試合でも1点も奪われることがなく、素早い動きと息の合った連係プレーで他チームを圧倒した。サーボモーターを4個まで交換できるルールを活用し、足の付け根のサーボモーターを強力なものに換装。素早い動作で開脚してディフェンスするなど、ロボットの性能をうまく引き出していた。
「オープンクラス」の優勝はトリニティチーム。決勝戦では相手チームと互いにボールを奪い合う激しい動きが見られたが、前半にゴール前に流れたボールを押し込んで得点。そのままタイムアップとなるまで、1点を守りきった。
2日目の格闘競技大会では、予選として2mの徒競走を行い、上位16台が決勝トーナメントに進んだ。決勝戦に進んだ機体は、重量5kgで身長約50cmと大きなダイナマイザー(スギウラファミリー作成)と、ハロウィンをイメージした帽子をかぶったアリキオン(スミイファミリー作成、操縦:アリキオンママ)の対戦。スギウラファミリーやスミイファミリーは従来からロボット格闘大会のROBO-ONEに家族で参加して活躍しているチーム。試合は大きなボディーのダイナマイザーが有利かと思われたが、ボディープレスで相手を倒した際に腕のモーターの配線が外れるというトラブルが発生。腕が動かなくなり、転倒した際に、立ち上がれなくなってしまった。結果としてアリキオンの勝利となった。
会場ブースでは各種のロボットを使ったデモが見られた。特に会場を訪れた観客がロボットを動かしながら楽しめるデモが多かった。日本工学院テクノロジーカレッジのブースでは人間と同程度の大きさの「KARFE-LADY(カーフィーレディ)」とじゃんけんができるデモを実演。スピーシーズのブースではネットワーク対応ロボットの「SPC-101C」で縁日のような射的ゲームや釣り掘ゲームを、エスケイパンは赤外線のリモコンで操作できるGogic Five(ゴジックファイブ)を使ったすもうバトルを紹介していた。システクアカザワのブースでは、インターネット電話のSkypeを使って小型の2足歩行ロボットPLENを遠隔操作する様子を見せていた。
デザインに凝ったロボットも登場してきた。京商のブースでは、2足歩行ロボットのマノイPF01にプロのペインターがメイド服や忍者のペイントを施した機体を展示。この機体は12月8~9日に開催されるロボット大会KYOSHOアスレチクスヒューマノイドカップでオークション販売するという。学生ながらも高いロボット作成の技能で注目されている、まこ氏はガンダムのプラモデルにサーボモーターを組み込んで動作させる様子を見せた。
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格闘競技の決勝戦の様子。ダイナマイザーがボディープレスを決めたところ |
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