Popflyにサイン・インした直後の画面。Mac OS XのFirefoxでも問題なく動作している。マッシュアップ・アプリケーションを作るには,「Create Stuff」メニューの「Mashup」をクリックする
Popflyにサイン・インした直後の画面。Mac OS XのFirefoxでも問題なく動作している。マッシュアップ・アプリケーションを作るには,「Create Stuff」メニューの「Mashup」をクリックする
[画像のクリックで拡大表示]
Blockを二つ配置し,お互いを結びつけるとアプリケーションは完成。左上の「Preview」をクリックするとアプリケーションを試験的に実行できる
Blockを二つ配置し,お互いを結びつけるとアプリケーションは完成。左上の「Preview」をクリックするとアプリケーションを試験的に実行できる
[画像のクリックで拡大表示]
作成したアプリケーションの例。flickrのアルバムから画像を引き出して,立体的に配置する
作成したアプリケーションの例。flickrのアルバムから画像を引き出して,立体的に配置する
[画像のクリックで拡大表示]

 2007年10月19日,米Microsoftは,複数のWebサービスを組み合わせたアプリケーション(マッシュアップ・アプリケーション)を構築できる開発環境「Microsoft Popfly」のベータ版を一般公開した。2007年5月から一部のユーザーに向けたアルファ版を限定公開していたが,今回のベータ版は,ユーザー登録すれば誰でも利用できる。

 Popflyは,Webブラウザからアクセスして利用するWebアプリケーション。世界各地に存在するWebサービスを抽象化した「Block」を多数用意しており,ユーザーはこのBlockの設定を変更し,Block同士をつなぎ合わせるだけでマッシュアップ・アプリケーションを構築できる。Blockは,Microsoftが公開しているサービスだけでなく,「Flickr」「Twitter」「Facebook」などのサービスに対応したものも用意している。マイクロソフト日本法人によると,ベータ版公開開始の時点で400以上のBlockが利用可能で,どんどん増え続けているという。

 さらに,Blockを自分で作成することもできる。Blockの実体はJavaScriptで記述したロジックと,XMLで記述した定義ファイル。定義ファイルにはサービスの提供元や,公開する関数名を記述する。ブロック作成時には,JavaScriptに対応したIntellisense(コード補完機能)が働くため,コーディングの手間をある程度省けるようになっている。また,同社が無償で配布しているWebアプリケーション開発環境「Visual Web Developer 2005 Express Edition」を使ってBlockを作成することも可能。

 Webページのデザイン・ツールも備えている。デザインのひな型と,無料で利用できるイメージ画像を用意しており,簡単な操作でWebページを作成できる。作成したWebページに,Popflyで作成したマッシュアップ・アプリケーションを貼り付けることも簡単にできる。

 Popflyで作成したアプリケーションやWebページのデータは,Microsoftのサーバーに保存できる。同社は,登録ユーザー一人あたり25Mバイトのディスク空間を提供する。さらに,このディスク空間にVisual Studio 2005のプロジェクトをアップロードするためのツール「Popfly Explorer」も提供する。保存したマッシュアップ・アプリケーションなどのデータは,Popflyの登録ユーザー間で共有できる。

 Popflyは,同社のRIA(Rich Internet Application)技術である「Silverlight」を利用している。SilverlightにはInternet Explorerだけでなく,Firefox用の実行環境(プラグイン)もあるので,PopflyもFirefoxで利用できる。現時点で,同社は対応WebブラウザをInternet Explorer(バージョン6.0以上)とFirefox(バージョン2.0以上)としている。対応OSは,Windows XP/VistaとMac OS X 10.4.8以降。ただし,Mac OS Xの標準Webブラウザである「Safari」では正しく動作しない。