米アップルは2007年10月17日(現地時間)、デジタル著作権管理技術(DRM)のコピー制限がない音楽ファイルのネット配信サービス「iTunes Plus」の値下げを発表した。従来の1曲約150円(1.29ドル)から1曲約110円(99セント)に引き下げる。

 アップルのコンテンツ配信サービス「iTunes Store」では、ビットレートが128kbpsのAAC形式の音楽ファイルを通常1曲約110円(99セント)で配信していた。iTunes Plusでは、従来iTunes Storeで配信していた通常価格に30セントを追加することで、コピー制限がなくビットレートが256kbpsと高音質のAAC形式の音楽ファイルをダウンロードできるようにしていた。

 今回の値下げにより、iTunes Storeで配信している通常価格とiTunes Plusの価格差はなくなった。米アップルが今回の値下げに踏み切った背景には、米Amazon.comが2007年9月に発表した、同じくコピー制限がない音楽ファイルのネット配信サービス「アマゾンMP3」がある。アマゾンMP3では1曲あたり約103円から(89~99セント)と、従来のiTunes Plusで設定した価格よりも30セント以上安価で、ビットレートが256kbpsのMP3形式の音楽ファイルを配信していた。

 ただし、今回の値下げはあくまでも米国内に限ってのもの。国内でiTunes Plusを利用する場合は、従来通りiTunes Storeで配信している通常価格に30セントの追加料金が必要となる。