国連の教育科学文化機関であるUNESCO(ユネスコ)はフランスで現地時間10月17日,米国議会図書館と「World Digital Library(世界デジタル図書館)」を共同で立ち上げることで合意に達したと発表した。

 世界デジタル図書館は,世界中の図書館および文化的施設が保有する貴重な原稿,地図,書籍,楽譜,録音記録,映像,写真などをデジタル化し,インターネットでの無料提供を目指す。

 米国議会図書館は,1800年に設立された全米最古の図書館で,450言語以上にわたる1億3400万点超の所蔵品を有する。

 世界デジタル図書館は,新アレクサンドリア図書館をはじめエジプト,ブラジル,ロシアの国立図書館などの協力を得て,プロトタイプが完成している。6つの国連公用語(アラビア語,中国語,英語,フランス語,ロシア語,スペイン語)とポルトガル語に対応し,場所,時間,トピック,協力団体ごとに検索できるという。

 UNESCOは,世界デジタル図書館の目的を「国際的また異文化間の理解を深めるほか,インターネット上の文化的コンテンツの質と多様性を向上し,教育・研究に貢献すること」と説明する。また,すべての国家の全地域が記録対象になるよう,発展途上国における参加基盤を確立することも視野に入れている。

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