「工務店などによる代理販売が一般的な当社では、これまで最終顧客が考えていることを把握するのが難しかった。しかし、Web2.0の潮流を利用すれば、比較的容易に最終顧客の思考を検証できるようになった」。INAXのマーケティング部マーケティング戦略室の千葉哲也氏はこう語る。

 INAXでは、Web2.0の潮流をマーケティング活動にどう生かすかを模索している最中。現在は、経営層から依頼があったときなどに、顧客の声をインターネット上から集めて届けている。

 例えば、今年7月にテレビCMを開始した新商品「くるりんポイ排水口」の反応を見るために、インターネット上のブログにおける書き込み数の推移を調べたり、競合製品との違いを分析した。分析には、ベンチャー企業のきざしカンパニーが提供するブログ分析サービス「ブログクチコミサーチ」を利用した。

 そのほか、建築家や工務店の担当者が書いているブログを“定点観測”しているという。「実際に当社製品に触れているプロが、客観的に評価してるので非常に参考になる」(千葉氏)。