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 マイクロソフトは17日、統合コミュニケーション環境を構築するサーバー用ソフトウエアの新版「Microsoft Office Communications Server(OCS)2007」と、クライアントソフト「Microsoft Office Communicator 2007」を発表した。電子メールやIP電話、多地点でのビデオ会議、インスタントメッセージなどの通信機能を連携させ、ユーザーがいる場所や状況に応じて通信手段を選べるのが特徴だ。

 OCSでは、ユーザーが登録した在席状況に応じて、複数の通信手段の中から最適な方法を選んで相手と連絡を取れる。例えば、「Outlook」に表示された電子メールの宛先をクリックしてIP電話やビデオ会議で呼び出したり、先にインスタントメッセージでやり取りしてから音声通話に切り替える、といったことが可能。PowerPointなどで作成した文書を画面上で共有しながら、多地点のビデオ会議を開くこともできる。

 日本独自の機能として、在席状況や連絡先など公開する情報の内容や相手を限定できるようにした。これは日本企業としては初めて早期検証プログラムに参加した3社からのフィードバックを反映した結果という。マイクロソフトの樋口泰行代表執行役兼COOは、「コミュニケーションは国ごとの文化に根差しているので、何が日本企業に必要なのか検証してもらった。日本で根付く自信はある」と述べた。

 マイクロソフトはOCSと同時に、統合コミュニケーション環境への対応を強化した「Exchange Server 2007 Service Pack1」と、ビデオ会議の機能をネット経由で提供するサービス「Microsoft Office Live Meeting」、360度のパノラマ撮影ができるカメラを搭載したビデオ会議専用機器「Microsoft RoundTable」も発表。一連の統合コミュニケーション環境の構築にあたり、日本ユニシスや大塚商会などSIer9社が、ソリューションパートナーとして支援していくことを明らかにした。

 通信機器との連携も従来より進むことになりそうだ。NECや富士通、シスコシステムズなど通信機器メーカー8社が、OCSと連携したPBX機器を開発すると表明。NECやノーテルネットワークスなど7社が、OCSに対応したIP電話機など13種を発表した。マイクロソフトの樋口代表執行役兼COOは、「ユーザーは使い慣れたインターフェースで直感的に操作するだけで、電話と業務アプリケーションとを連携できる。利便性は極めて高い」と話し、これらの製品群の普及に自信を見せた。

【写真】発表会ではパートナーのNECと日本ユニシス、OCSを導入した日産自動車の幹部も登壇した(左から2人目がマイクロソフトの樋口泰行代表執行役兼COO)