「秋葉原不思議交流空間プロジェクト」。RFIDタグ付きカード「AKIBA Town Card」を情報端末「ワンダーステーション」に置くと、各種の秋葉原情報を表示できる。左右に付いたオレンジ色のレバーを使ってゲームも楽しめる
「秋葉原不思議交流空間プロジェクト」。RFIDタグ付きカード「AKIBA Town Card」を情報端末「ワンダーステーション」に置くと、各種の秋葉原情報を表示できる。左右に付いたオレンジ色のレバーを使ってゲームも楽しめる
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「CompassMarkプロジェクト」。路上のマークに書かれた数字を携帯電話に入力することで、その場所に関連した情報を入手できる
「CompassMarkプロジェクト」。路上のマークに書かれた数字を携帯電話に入力することで、その場所に関連した情報を入手できる
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 東京・秋葉原の電気街を先端技術の実証フィールドに利用する動きが活発化してきた。複数の大学や企業が参加する秋葉原先端技術実証フィールド推進協議会は2007年10月16日、10月~11月にかけて実施される3つの実証実験を発表した。秋葉原は先進的な商品が集まることから、新技術の情報発信の場として認知されてきた。こうした電気街の特徴を活かし、実証サービスを運用しつつ、国内の技術開発を活性化を目指す。

 協議会は今年3月に実証実験の検討を開始した。実証実験のテーマを募集すると、RFIDタグを使ったサービスなど3種類が集まった。テーマ検討の際には、実証実験といえどもユーザーに楽しんでもらえることを重視したという。「秋葉原はユーザー主導型のイノベーションが実践できる街。技術やホビーに目の肥えた方が集まり、新しい用途を考え出せる」(NPO産学連携推進機構の妹尾堅一郎 東京大学国際・産学協同研究センター客員教授)として、新技術による市場創出にもつなげたい考えだ。

 実証実験の一つが「秋葉原不思議交流空間プロジェクト」。RFIDタグ付きのカードを配布し、街頭に設置した専用端末で秋葉原の情報を提供できるようにする。日立製作所の主導で開発した。ユーザーが端末の上にカードを置くと、画面上でゲームが楽しめるほか、店舗やイベントの情報を表示できる。ユーザーの利用履歴を記録する機能を持っており、何度か利用すると、好みに合わせた情報を表示するという。ユーザーがインターネット上で書き込んだ口込み情報も端末に表示できる。カードは1万枚を配布。端末はアソビットゲームシティ、石丸電気SOFT2など5カ所に配置する。期間は2007年10月19日~28日と11月16日~30日。

 「CompassMarkプロジェクト」は数字を記入したマークを路上や壁面に貼り付け、数字を携帯電話に入力すると、各種情報を表示するサービス。ユーザーがその場所に関する情報を書き込むことも可能。NTTコミュニケーションズが開発した。11月下旬から開始する。

 「Live! Commerce Akiba」は店舗の商品に振動や光を検知するセンサーを取り付けて、消費者が商品を手に取った回数を一覧表示するサービス。慶応大学や東京大学が開発した。商品の注目度が分かることから、消費者と店舗の双方にメリットがあるという。11月29日と30日にオノデン本店、KAIYODOホビーロビー東京などで実施する。