ネットエージェントは10月16日,P2Pファイル共有ソフトWinnyネットワーク上に流通している流出ファイルを追跡した調査結果を発表した。その結果,暴露ウイルスなどによりWinnyネットワークに情報漏洩した流出ファイルの中にはWinnyネットワーク上から消滅した流出ファイルがあることが判明した。一方,流出ファイルの存在が掲示板に書き込まれたり,プレスリリース,ニュース報道などが行われると,流出ファイルの所有者が増加し,長期間Winnyネットワークにファイルが保持される傾向があったという。
調査は,同社が運営しているWinny検知システムで,流出ファイルのハッシュ値などファイル固有値を基に,ファイルの所有者数を毎日計測して行った。ファイルを「掲示板への書き込みまたは,インターネットへの情報掲載があるものとないもの」,「プレスリリースまたは,ニュース報道があるものとないもの」という条件でファイルを無作為にサンプリングした。ファイルが最初に確認された日から,最長で約250日計測している。
その結果,12ファイルはWinnyネットワークから消滅した(連続30日以上確認されなくなった)が,いずれも掲示板への書き込み,インターネットへの情報掲載,プレスリリース,ニュース報道がないものだった。10ファイルは発見された後100日以上,現在もWinnyネットワーク上にあるが,掲示板への書き込み,インターネットへの情報掲載,プレスリリース,ニュース報道のいずれかがあったものだった。
ネットエージェントによれば,「Winnyネットワークにおいては,オリジナルファイルもしくは,完全なキャッシュファイルがネットワーク上から消滅してから,約1500秒でネットワーク上から存在しなくなり,Winny利用者がいくらWinnyを利用し検索しても,ファイルを発見することができなくなる」という。
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◆Winnyネットワークにおける流出ファイル推移調査結果について(ネットエージェント)
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