独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は10月12日,オープンソース・ソフトウエアへの貢献表を表彰する「日本OSS貢献者賞」の2007年度受賞者を発表した。日本PHPユーザ会などで技術者育成などに貢献した小山哲志氏,Rubyを高速化するYARVを開発した笹田耕一氏,組み込み向けCPUにLinuxを移植した佐藤嘉則氏,日本語形態素解析システム「茶筌(ChaSen)」を開発した松本裕治氏の4名が選定された。

 小山哲志は日本PHPユーザ会や日本UNIXユーザ会などでのイベント企画,運営などを通じ,コミュニティの活性化や技術者の育成に携わってきた。

 笹田耕一氏はRubyの次期版1.9に標準搭載される仮想マシンYARV(Yet Another Ruby VM)の開発者(関連記事)。また日本Rubyの会でも活発に活動している。IPAの未踏ソフトウェア創造事業に採択されスーパークリエータにも認定されている。

 佐藤嘉則氏はH8アーキテクチャなど組込み向けCPUへLinuxカーネルを移植し,メンテナとして活動している。佐藤氏も未踏ソフトウェア創造事業に採択されスーパークリエータに認定されている(関連記事)。

 松本裕治氏は形態素解析システム「茶筌(ChaSen)」を開発、ChaSenは検索エンジンなど多くのOSSプロジェクトで利用されている。

 日本OSS 貢献者賞は,オープンソース・ソフトウエア開発の振興を目的に2005年度に創設された。2005年度はまつもとゆきひろ氏ら4名(関連記事),2006年度はひがやすを氏ら4名が受賞している(関連記事)。

 2007年度日本OSS貢献者賞の授賞式は10月30日に開催される「IPAフォーラム 2007」で行う。