写真 都心の駅ではゲートを開放したが、通常運用の改札機も残したため混乱した(午前8時30分ごろJR恵比寿駅)
写真 都心の駅ではゲートを開放したが、通常運用の改札機も残したため混乱した(午前8時30分ごろJR恵比寿駅)
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 10月12日早朝から、首都圏のJR東日本や私鉄、地下鉄の一部の駅で自動改札機が作動しないシステム障害が発生している。JR東日本によると「大宮や横浜、川崎など東京周辺の160駅でトラブルが起こった。都内の駅では発生していない」という。

 JR東日本によると、始発電車の業務に向けて各駅で自動改札を立ち上げたところ起動しなかった。各社は今回のトラブルに対応するため、障害が発生していない駅を含めて、自動改札のゲートを開放した(写真)。利用者のSuicaなどICカードの入場と出場の記録がそろわないとゲートが開かなくなり、大混乱となるからだ。

 現在のところ、鉄道事業者や自動改札機メーカーの作業員が各駅を回って復旧作業を実施しているという。JR東日本の調べでは、複数の自動改札機メーカーのうち日本信号製の機種に問題が集中している。

 日本信号の自動改札機では昨年、ソフトウエアの問題が発生している。2006年12月1日に、首都圏にあるJR東日本の184駅の自動改札で、利用者が改札を通過できなくなった(関連記事「JR東日本のSuicaで初の大規模トラブル、首都圏3分の1以上の駅で改札ゲートが閉鎖」)。11月から12月に日付が変わった時点で、Suica定期券の状態をチェックする自動改札機のプログラムのバグが、顕在化したことが原因だった。今回のトラブルも同様にソフトウエアのバグの可能性がある。