左から中村正人イオン銀行副社長、岡田元也イオン社長、原口恒和イオン銀行会長、片岡正二イオン銀行社長
左から中村正人イオン銀行副社長、岡田元也イオン社長、原口恒和イオン銀行会長、片岡正二イオン銀行社長
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 イオンは10月11日、イオン銀行が金融庁から営業免許を取得し、10月20日に口座申込の受付を開始すると発表した。勘定系システムは、日立製作所製の「NEXTBASE」を使う。NEXTBASEは、日立製メインフレーム上でNTTデータ製パッケージ「BeSTA」を動かす構成。徳島銀行など複数の地銀で稼働実績がある。

 イオン銀行は06年3月に銀行設立を発表した。当初は勘定系システムに印i-flexソリューションズ製パッケージ「FLEXCUBE」を導入する予定だったが、日立製のNEXTBASEに方針転換した経緯がある。この判断について、イオン銀行の片岡正二社長は「当初はオープン系製品を使って、新しいサービスを自前で設計・開発したいと考えていた。だが、それよりもイオン銀行が見込む量のトランザクションをきっちり処理するという銀行システムとしての信頼性を第一に考え、実績ある既存システムをカスタマイズして使うことにした」と説明した。

 システム投資額について、イオン銀行の片岡社長は「具体的な金額は差し控えたい」と明言を避けた。銀行設立発表時に公表した100億円強という数字を上回ったかとの問いには、「それよりは上だ」と答えた。

 イオン銀行は朝9時から夜9時まで、祝日や年末年始も営業する。キャッシュカードには電子マネー「WAON」を搭載。イオン銀行の口座からWAONへのオートチャージを可能にした。取扱商品は、普通預金や定期預金のほか保険商品など。投資信託や住宅ローン、カードローンなども順次提供する。10月11日の記者会見に出席したイオンの岡田元也社長は、「世界にも類を見ない、流通業によるフルバンクだ」と述べ、「既存の銀行を不便と感じる顧客の声に応えたい」と続けた。

 10月20日から、全国のイオンのショッピングセンターに設置するイオン銀行のカウンターなどで口座申込の受付を開始する。続いて29日には、ジャスコ品川シーサイド店などに店舗を開設し、関東・中京・関西を中心とするイオンのショッピングセンターなど276店で、自前のATM(現金自動預け払い機)を合計460台稼働させる。ATMは08年3月までに1500台、09年3月までに2000台まで増やす。他行とのATM提携も準備を進めている。