写真●アッカ・ネットワークスとNTTドコモを中心に16社の大連合を形成。発表会にはアッカ・ネットワークスの木村正治社長(下段右から3番目)とNTTドコモの中村維夫社長(下段左から4番目)をはじめ,パートナー10社の社長や幹部が同席した。
写真●アッカ・ネットワークスとNTTドコモを中心に16社の大連合を形成。発表会にはアッカ・ネットワークスの木村正治社長(下段右から3番目)とNTTドコモの中村維夫社長(下段左から4番目)をはじめ,パートナー10社の社長や幹部が同席した。
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 アッカ・ネットワークスとNTTドコモは10月11日,モバイルWiMAXを利用した2.5GHz帯無線ブロードバンドの参入に向けた事業企画会社「アッカ・ワイヤレス」のパートナーを発表した。

 放送や商社,鉄道,インターネット接続事業者(プロバイダ),金融など新たに14社を追加。アッカとドコモを含めて16社の大連合となった。「グローバル・スタンダードをベースとしたオープン/水平分業モデルの実現には,できるだけ多くの業界で連携することが重要となる。パートナーをさらに拡大していくことも検討している」(アッカ・ワイヤレスの木村正治社長)。

 今回発表したパートナーは,東京放送(TBS),三井物産,アイテック阪急阪神,京浜急行電鉄,KT(Korea Telecom),朝日ネット,NECビッグローブ,ソネットエンタテインメント,ニフティ,フリービット,YRP事業開発研究所,JPモルガン証券,イグナイト・グループ,DCM。

 各社の役割は以下の通り。財務面や戦略面を支援するのがJPモルガン証券,イグナイト・グループ,DCMの3社。三井物産はMVNO(仮想移動体通信事業者)のビジネスやシステムを支援するMVNE(mobile virtual network enabler)として参加する。TBSはコンテンツのリアルタイム配信サービスなどの提供,アイテック阪急阪神と京浜急行電鉄は鉄道システムにおけるWiMAXの活用を検討している。KTは韓国で展開しているWiMAXサービス「WiBro」との協業,YRP事業開発研究所は国際ローミングや相互接続性の検証などを支援する。朝日ネット,NECビッグローブ,ソネットエンタテインメント,ニフティ,フリービットはMVNOとしてサービスを提供する。

 なお,アッカ・ネットワークスは事業運営全般とコア・ネットワークの運用サポート,NTTドコモは無線インフラの構築と技術支援をそれぞれ担当する。アッカ・ワイヤレス/アッカ・ネットワークス,NTTドコモ自身もWiMAXのサービスを提供する予定だ。

 事業免許(特定基地局の開設計画の認定)は本日13時に関東総合通信局に申請済み(関連記事)。事業計画では,モバイルWiMAXを利用した下り最大40Mビット/秒,上り最大5Mビット/秒のサービスを2009年3月から始める予定。

 料金は定額制で,「現在提供されているデータ通信サービスよりも2~3割安くできると考えている」(木村社長)。エリアは首都圏16号線内,大阪市,神戸市,京都市,名古屋市から展開し,人口カバー率は2010年に50%,2013年に約70%を予定する。2015年までの設備投資額は約2000億円。加入者予測は2009年に25万人,2013年に500万人。350万~400万人を達成する2012年には黒字化を達成できると考えているという。売上高は2009年に60億円,2013年に1500億円を見込んでいる。

 アッカ・ワイヤレスの10月11日時点の資本金は3億円。免許を取得できた場合は300億円に増資する予定。その際の各社の出資比率は以下の通り。アッカ・ネットワークスが46.7%(140億円),NTTドコモが25.3%(76億円),JPモルガン証券が8%(24億円),イグナイト・グループが4%(11億9000万円),DCMが3.3%(10億円),アイテック阪急阪神,京浜急行電鉄,朝日ネットがそれぞれ1.7%(5億円ずつ),NECビッグローブ,ソネットエンタテインメント,ニフティ,フリービットがそれぞれ0.2%(5000万円ずつ)。残りは他の企業で調整する。その後も増資し,資本金は最終的に720億円まで引き上げる予定である。