第2世代「vPro」の構成要素
第2世代「vPro」の構成要素
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TXTによる機器認証を説明する連携医療情報システムのデモ
TXTによる機器認証を説明する連携医療情報システムのデモ
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米インテルのデジタル・エンタープライズ事業本部副社長デジタルオフィス事業部長グレゴリー・ブライアント氏
米インテルのデジタル・エンタープライズ事業本部副社長デジタルオフィス事業部長グレゴリー・ブライアント氏
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会場には第2世代の「vPro」を採用したデスクトップパソコンを展示
会場には第2世代の「vPro」を採用したデスクトップパソコンを展示
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 インテルは2007年10月11日、企業向けデスクトップパソコンのブランド「vPro(ヴィープロ)」の機能を紹介する「次世代インテルvProテクノロジー・コンファレンス 2007」を開催した。基調講演では、第2世代のvProに搭載したセキュリティ機能を実演で紹介した。

 第2世代のvProは、CPUにCore 2 Duo、チップセットにQ35 Expressチップセットを採用する。米インテルのデジタル・エンタープライズ事業本部副社長デジタルオフィス事業部長グレゴリー・ブライアント氏によると、「第1世代のvProに比べてアイドル時のCPUの消費電力を60%削減した。さらにチップセットの省電力化に注力し、チップセットの最大消費電力を55%削減した」という。

 注目は、新たなセキュリティ機能として「トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー(TXT)」を追加した点だ。TXTはパソコンのハードやファームウエアが改ざんされていないかハードウエアレベルで検証する機構のこと。従来のソフトウエアレベルの検証では、管理用のソフトウエアが不正に書き換えられるリスクがあったが、TXTではその危険がない。

 TXTを活用することで、ネットワーク上で個人認証する際にこれまでのID・パスワードによる認証だけでなく、正しい機器でアクセスしているかどうかの機器認証も組み合わせられる。例えば、万が一ID・パスワードを第三者に知られた場合でも、あらかじめ登録しておいたパソコン以外では認証をパスすることができないため、より安全性の高いネットワークを構築できる。

 TXTを使った機器認証の活用例として、脳卒中の連携医療情報システムを紹介した。脳卒中の治療には、症状を発症した場合に対応する急性期病院から始まり、回復期のリハビリを担当する病院、療養のために通う施設、在宅と複数の施設を経由する。個々の患者の治療情報や介護プランなどの個人情報も複数の施設で共有する必要があるため、よりセキュリティが確保されたネットワークが重要となる。

 デモによる実演では、あらかじめ登録しておいたパソコンでサーバーにアクセスすると、正しい機器であることを判別して治療情報や介護プランを閲覧できることを紹介した。医療以外にもTXTは金融や保険、政府、教育などネットワークでの認証が必要となる分野で幅広く応用できるという。

 最後にグレゴリー・ブライアント氏は今後のvProの製品展開について説明。2008年には、vProの機能をノートパソコンに展開したブランド「Centrino Pro」の次世代版を投入する。また2008年第1四半期には、CPUコアを4つ持つクアッドコアCPUを採用したvProの投入を予定している。