スウェーデンMySQL AB社のJimmy Guerrero氏(右)とBrian Aker氏(左)
スウェーデンMySQL AB社のJimmy Guerrero氏(右)とBrian Aker氏(左)
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 「来日して感じたのは,MySQLが備える便利な機能が日本のユーザーにまだ深く浸透していないことだ。例えば,リプリケーションやクラスタリングの機能などがそれにあたる。日本でMySQLの普及を促進していくために,マニュアルを日本語化するなど日本語の情報ソースを増やして,より多くのユーザーに便利な機能を知ってもらうようにしたい」。オープンソース・ソフトウエアのデータベース管理システム(DBMS)を開発するスウェーデンMySQL AB社のJimmy Guerrero氏(写真右)は,こう話す。Guerrero氏は,MySQL ABでプロダクト・マネージャを務める。

 Guerrero氏はMySQLを普及させる施策の一つとして,9月25日に同社が開始したMySQLの認定試験も挙げる。英語以外の認定試験は,これが初めてになる。「この試験を利用すれば,MySQLサーバーを運用する知識・経験・スキルを持っていることを証明できる。ユーザーは安心して,技術者にサポートを頼めるようになる」(Guerrero氏)。

 このほかMySQL ABは,パートナーとともにMySQLに関する保守サービスを強化する方針だ。すでに日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は,HP-UXやWindows,Linuxで稼働しているMySQLを対象に,日本語の24時間保守サービスを開始すると発表ずみ。「MySQLは,移植性やスケーラビリティをとっても商用DBMSに引けを取らない。使い勝手も向上を続けている。日本のユーザーは,より増えていくだろう」とGuerrero氏はみる。

 MySQLの主要開発者で,同社でアーキテクチャ・ディレクタを務めるBrian Aker氏(写真左)は,「次期バージョンであるMySQL 6.0が登場すれば,MySQLユーザーはさらに増加するだろう」と話す。MySQL 6.0では,データベース・エンジンとしてInnoDBだけではなく,Falconも選択できるようになる。加えて,「従来のMySQLはディスクに対する最適化を施してきた。新バージョンでは,メモリーに対する最適化をする」(Brian Aker氏)。ただしAker氏は,「MySQL4から5にバージョンアップしたときには,変化が劇的だったために,とまどったユーザーも多かったと思う。5から6へのバージョンアップによる変更は,4から5のときに比べると小さいものになるだろう」と付け加えた。