日本IBMの三浦専務執行役員(右)と、ジャストシステムの浮川社長(左)
日本IBMの三浦専務執行役員(右)と、ジャストシステムの浮川社長(左)
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画面左の「目次」ペインで目次を作れば、Webページが作成される
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星印で評価を示す「アクセシビリティ メータ」。操作画面の右下に表示される
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 日本IBMは2007年10月11日、Webページ作成ソフトの新版「ホームページ・ビルダー12」を、2007年12月7日に発売すると発表した。ブログを作成するような感覚でWebページを作れる「ホームページ・ビルダー クイック」などを搭載したのが特徴。また販売面で、ジャストシステムと協業することを表明した。

 ホームページ・ビルダー クイックは、Webページの目次を作るだけで対応するページのひな形を作成、リンクを張る作業をしなくても自動的にリンク先のページを作れる、などの機能を持つ。加えて、作成中のページのアクセシビリティ対応度をリアルタイムに判定して表示する「アクセシビリティ メータ」や、楽天アフィリエイトの情報を手軽に挿入できる機能などを搭載した。また同製品のユーザー専用にジャストシステムが提供するWebページ公開サービス「Just MyStage」を1年間無料で利用できる権利も用意。当面は最新版の購入者を対象とするが、ホームページ・ビルダーの既存ユーザーに向けたサービスも今後提供予定だという。

 個人向けのパッケージ版はジャストシステム、法人向けのライセンス版は日本IBMとジャストシステムの2社が販売する。パッケージ版の価格は1万3800円。2008年3月31日出荷分までは、発売記念価格として9800円で販売する。

市場はまだ拡大している


 ホームページ・ビルダーは、バージョン10から11にかけて、本数ベースで30%の伸びを示したという。また購入者のうち73%を新規の顧客が占めており、「このマーケットはまだ拡大している。ブログをきっかけにWebページ作成に興味を持つユーザーや、副業としてアフィリエイトを始めたいユーザーなどが増えている」(日本IBM ソフトウェア事業部 専務執行役員 ソフトウェア事業担当の三浦浩氏)という。

 三浦氏はジャストシステムとの協業の理由を「コンシューマ市場はもちろん法人市場にも実績があり、一層の拡販が期待できる。エンドユーザーに対する営業やサポートもきめ細かい」と説明。製品のバラエティが豊富なことなどにも触れ、ジャストシステムの製品とホームページ・ビルダーがさまざまな形でコラボレーションできる可能性があるとした。

 ジャストシステムの浮川和宣社長は「エンドユーザーによるインターネット上での情報発信が盛んになる中で、こうしたソフトはまだまだ発展する余地がある。今回の協業を、エンドユーザーにとって意味のある活動にしていきたいし、していくべきだと思う」とあいさつ。ホームページ・ビルダー12に、既にジャストシステムからの意見が反映されていることなどを紹介した。さらにワープロソフト「一太郎」やXMLデータを扱う「xfy」などの自社製品にホームページ・ビルダーが加わることで、総合的なドキュメント環境を提案できるようになる、と自社にとってのメリットを説明した。

 ホームページ・ビルダー12は、ジャストシステム製品との連携も強化している。一太郎文書の内容をWebページ内に挿入する、といった機能が加わった。またJust MyStageの利用時は、サーバーの情報を設定しなくても、作成したデータを簡単にアップロードできる「おまかせファイル更新」機能も利用できる。

 なおホームページ・ビルダーの販売はここ数年、ソースネクストが担当してきた。現在、同社と日本IBMは、ホームページ・ビルダーの販売契約を巡って係争中である。