米MediaPhyは,わずか120mWで13セグメント処理するISDB-TチューナーICを発表した(発表資料)。名称は「J-Solo」。1セグメント/3セグメント/13セグメント放送に対応する。つまり,ワンセグや,デジタル・ラジオ,さらにはハイビジョン放送も受信できる。特徴は消費電力が小さいこと。1セグメントの受信時に80mWであるのに対し,13セグメント受信時でもわずかに120mWだという。携帯電話機やノートパソコン,PDA,メディアプレーヤ,さらには車載機の市場に向ける。
同社のCEO 兼 会長のTerry Leeder氏は,「世界で最もアクテイブなモバイルテレビの市場」と,日本市場への期待を語る。チップは7mm角のパッケージに封止する。今月のサンプル出荷開始,2008年第1四半期の量産を予定する。
国内では現在,ポストワンセグに向け,より広い帯域を使ったマルチメディア放送の実現に向けた動きが加速している。ISDB-Tをベースにした広帯域な放送がISDB-Tmmである。この放送は,セグメントの割り振りを柔軟にできるという特徴がある。13セグメント受信時に120mWという小さな消費電力を実現したチューナーICの登場は,ISDB-Tをベースに一つの番組に多数のセグメントを割り振っても,携帯機器の消費電力がそう大きくならないことを示していると言えそうだ。