グーグルは10月11日,企業内検索(エンタープライズ・サーチ)アプライアンス・サーバーの新版「Google検索アプライアンス バージョン5.0」(GSA 5.0)を発売した。文書管理ソフトや「Google Apps」内のファイルに対する索引付け機能を追加。それらの検索結果を一覧できる「ユニバーサル検索」画面を追加するなど,企業内利用で必要な機能を拡充した。
GSA 5.0は,「EMC Documentum」「IBM FileNet」「OpenText Livelink」「Microsoft SharePoint Server」の文書管理ソフト4製品,および「Gmail」や「Googleカレンダー」などの企業向け版「Google Apps」内のファイルを検索対象に追加。それぞれの製品/サービスに格納したファイルを収集(クロール)できるようにした。
検索対象の拡大に合わせて,検索結果の表示とアクセス制御方式を強化した。検索結果の表示については,横断検索用の「ユニバーサル検索」を用意。アプリケーション,イントラネット,Google Appsといったコンテンツの格納場所ごとに検索結果を分類することで,一覧性を高めた(写真1)。また,ユーザー指定の拡張子やキーワードに合致するコンテンツを上位表示させる,重み付けのカスタマイズ機能を追加した。
アクセス制御方式は,Active Directoryに認証を委任するWindows統合認証(WIA)によるシングル・サインオン(SSO)機能に対応。従来はGSAへのログイン時と検索結果のファイルの参照時にそれぞれ認証するか,サード・パーティのSSO製品を導入する必要があった。
今後グーグルは,アプライアンスであるGSAをカスタマイズ可能なプラットフォームとして整備する。その第一弾として,GSAをカスタマイズするサンプル・コードなどを集めた「Google Enterprise Labs」を公開した。
2007年10月11日時点で,インクリメンタル・サーチ機能付きの電話帳検索「Search-as-you-Type」,ある検索結果に対してエンドユーザーが「最適」と判断したコンテンツを登録できる「Do-it-Yourself Keymatches」(写真2),コンテンツの属性(メタデータ)を検索結果の絞り込みに使う「Parametric Search」の3アプリを提供中だ。ユーザーやインテグレータはこれらのコードを基に,用途に合った検索画面を作り込める。
価格は651万円から(50万ドキュメント時)で,従来版GSAと同じ。サポート期間内(購入時から2年間)のGSAユーザーは,無償ダウンロードで5.0にアップグレードできる。