デル日本法人は10月10日、サーバー仮想化ソリューションに関する戦略強化策を発表。「サーバー単体の稼働率向上に対するユーザー・ニーズが高まっている。今後はハードを取り巻くサービスの1つとして、仮想化戦略を強化する」(桜田仁隆エンタープライズ・マーケティング本部長)とした。

 同社が打ち出した新戦略は2つ。仮想化ソフトをインストールした新サーバーの年内出荷と、構築サービスにおける要員の増加だ。

 新製品の最大の特徴は、米ヴイエムウェアが年内に出荷予定のサーバー仮想化製品「VMware ESX Server 3i」をインストールして出荷すること。「サーバーが届いて電源を入れれば、2分で仮想化サーバーが立ち上がる」(桜田本部長)。デルのサーバーとVMwareを別々に購入し、自分でセットアップする場合は、仮想化サーバーを立ち上げるまでに最低でも1時間から2時間程度は必要だという。

 きょう体は高さ2Uのラック型。プロセサ内に4つのコアを搭載した米AMDの「クアッドコア Opteron プロセッサ」、最大128ギガバイトのメモリー、最大6つのI/Oスロットなどを搭載する。電源ユニットやファンも既存のものを機能強化する。ハードディスクを搭載しないモデルも提供する考えだ。新製品の名称や価格などは近日発表する。

 構築サービスの増員では、「VMware認定技術者」(VCP)の取得者を「現在の10人程度から30人程度に増やす」(諸原裕二ソリューション・サービス本部長)。VCP取得者は昨年9月には1人だった。諸原本部長は「仮想化サーバーの構築にかかわる設計から運用トレーニングまで提供していくが、キモは設計段階のキャパシティ・プランニング。これを実行できる技術者層を厚くすることが急務」と話す。