米Gartnerは,2008年以降,企業にとって戦略的な意味を持つ技術や傾向に関する予測を10月9日に発表した。同社は,今後3年間に企業のITもしくは業務を大きく左右する可能性があるものとして「グリーンIT」「統合コミュニケーション」などを挙げている。

 同社が予測する主な戦略的技術および傾向は以下の通り。

・グリーンITへの対応:2008年には,グリーンITへの対応がますます求められるようになる。規制強化に伴い,大量の電力を消費し,二酸化炭素を排出するデータ・センターの拡張が制限される可能性がある

・統合コミュニケーション:PBXを設置する企業の20%がすでにIPテレフォニへ移行しているほか,80%以上が統合コミュニケーションを試験的に運用している。今後3年間に大半の企業が統合コミュニケーションを導入する見通し

・ビジネス・プロセス・モデリング(BPM):高度なビジネス・プロセスの設計やシミュレーションには,設計者,開発者,プロセス・アナリストなど,複数の視点が要求される。BPMはSOA開発を補助する重要な役割を果たすようになる

・メタデータ管理:メタデータの最適化,抽象化,意味的照合などを通じて,データの再利用および共有,一貫性と整合性の確保を可能にするため,企業の情報インフラで重視されるようになる

・仮想化2.0:従来の仮想化技術に,ポリシー・ベースの自動化技術をサービス・レベルで組み合わせることで,リアルタイム・インフラストラクチャの整備が可能になる

・マッシュアップおよびコンポジット・アプリケーション:マッシュアップ関連技術が今後5年間に急速な進展をみせる。2010年には,マッシュアップが企業向けコンポジット・アプリケーションの80%を占める

・WebプラットフォームとSaaS(Software as a Service):ソフトウエアをWeb経由でオンデマンド提供するSaaSが普及の兆しを見せている。一方で,インフラ,情報,アプリケーション,ビジネス・プロセスなどにアクセスを提供するWebプラットフォーム・サービスも登場している。企業は今後3~5年間,SaaSの延長上にあるWebプラットフォームが業務に与える影響を検討する必要がある

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