MCNのビジネス・モデル。「クエリーブローカー」と呼ぶシステムがコンテンツの分析・分類を行い、ユーザーのリクエストに応じて回答する仕組み
MCNのビジネス・モデル。「クエリーブローカー」と呼ぶシステムがコンテンツの分析・分類を行い、ユーザーのリクエストに応じて回答する仕組み
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 モバイル検索のベンチャー企業である米モバイル・コンテント・ネットワークス(MCN)は2007年10月10日、日本法人エム・シー・エヌを同10月1日に設立したことを発表した。日本市場の開拓を図るだけではなく、今後の急成長が見込まれる中国やインド、東南アジア市場へのアクセスを考え、日本法人の設立を機に本社機能を東京に移転するという。ソニーでの勤務経験を持つ同社CEO(最高経営責任者)のマーク・ブックマン氏は「ソニー創業者の盛田昭夫氏は、世界市場に攻勢をかけるにあたり米ニューヨークに渡ったが、当社はその逆だ」と、モバイル先進国である日本に活動拠点を移す決意を語った。

 企業間ビジネス(B2B)を主とする同社は既に日本での活動実績を積んでいる。例えば、モバイル広告代理店のディーツー コミュニケーションズ(D2C)と共同で、音楽検索サービス「FM Radio Music Search」を提供しているほか、いくつかの企業と共同でサービス開発を進めており「近く発表できる」(ブックマン氏)段階にあるという。07年5月には、東京都内にデータセンターを開設済みである。

 「統合検索(Federated Search)」と呼ぶ、同社の検索技術の特徴は、モバイル利用に合わせてクリック数が少なくするような検索結果を表示できることである。コンテンツ事業者との間のクエリー(データベース管理システムに対する処理要求)管理を中核とする。D2CのFM Radio Music Searchの例では、iモードの公式コンテンツの音楽サイトの協力を得た上で、検索結果を表示する。10月10日に開催した記者会見では、「宇多田ヒカル」というキーワードから、D2CのPRサイトに誘導し、そこからヒット曲のダウンロード・サイトを表示するといったデモを見せた。