韓国Samsung SDIは,3.08型でワイドVGA(480×800画素)表示のアクティブマトリクス型有機ELパネルを開発した。従来のモバイル機器向け有機パネルは,QVGA(240×320画素)表示であり,精細度を高めたのが特徴だという。携帯機器におけるwebブラウザ,GPS,ビデオ再生といった用途で,高精細の特徴が生きると想定する。

 開発したパネルは,Clairvoyante社のPenTile技術を活用する。すなわち,RGB(赤,緑,青)にW(白)を組み合わせて映像を表現する。これにより,精細度を高めたときの課題となる輝度を,同じ投入電力時と比較して高めることができる。主要な仕様は以下の通り。輝度は200cd/m2,コントラストは1000対1,消費電力は400mW,色範囲はNTSC規格比で100%である。

 Samsung SDIは2002年8月から有機ELパネルの生産を始めている。これまでにカーオーディオやMP3プレーヤなどに採用されているほか,最近になって携帯電話機にも採用されたという。

 2008年第一四半期にサンプル出荷,同年第3四半期の量産出荷を予定している。なお,開発した有機ELパネルは,2007年10月24日~26日にパシフィコ横浜で開催される「FPD International」(主催は日経BP社)で展示を予定している。