ピア・ツー・ピア(P2P)ソフトウエアを手がける米BitTorrentは米国時間10月9日,コンテンツ配信サービス「BitTorrent Delivery Network Accelerator(DNA)」の提供を開始した。このサービスは,メディア企業,ソフトウエア企業,ビデオ・ゲーム・パブリッシャといった商用コンテンツのパブリッシャを対象とするもの。ダウンロードまたはストリーミングを通じたリッチ・コンテンツの配信を支援する。

 BitTorrent DNAは,従来のコンテンツ配信技術とP2P技術とを組み合わせたハイブリッド型のサービス。現行のインターネット・インフラが過度に集中することで生じているダウンロード速度の遅さ,途切れがちなビデオ・ストリーム,非効率的なネットワーク・インフラの利用といった問題に対応するもの。このサービスにより映画,ゲーム,ソフトウエアなどの大容量ファイルの高速ダウンロードが可能となり,放送品質の動画のストリーミングも容易になるという。

 従来のコンテンツ・デリバリ・ネットワーク(CDN)を利用しながらピア・ネットワークを併用することで,コンテンツ配信の速度,信頼性が向上する一方で帯域幅とコストを削減できるという。また,コンテンツ・パブリッシャは高品質なコンテンツの配信,広告付きビデオ,購入前に試用できるオンライン・ゲームの提供といった新しいビジネス・モデルを導入可能になるとしている。

 インターネットTVのプロバイダである米Brightcoveが,すでにBitTorrent DNAの採用を決めているという。

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