10月1日の郵政民営・分社化の直後から発生していた、ゆうちょ銀行のシステム障害について、本誌の問い合わせに同社広報は「8日までの3連休に処理能力の増強などを施した。9日現在、システムは復旧し、順調に稼働している」と説明した。

 問題があったのは、ゆうちょ銀の「顧客情報照会システム」。同システムは、郵便局の職員が、預かり限度額の1000万円を超えないように貯金の預かり状況を確認するのに使う。開業初日である1日の午前8時ごろから、同システムにアクセスが集中し処理遅延が発生。窓口での新規預け入れ業務に時間がかかることがあった。

 開業翌日の10月2日以降、ゆうちょ銀はサーバーのメモリーを増設するなどしてシステムの性能を向上させたが、完全復旧には至らなかった。そこで、ゆうちょ銀は、一部の事務処理を後回しにするなど「窓口の運用で対応した」(広報)。システムへのアクセスを必要最小限に抑えるなどの対処もした。

 その後、10月6日からの3連休に、更なる処理能力の増強とソフトのチューニング、プログラム修正などを施した。

 残高確認は勘定系システムにつながった窓口端末でもできるため、「顧客サービスに大きな影響はなかった」(広報)としているが、一部の郵便局では新規預け入れ業務を停止するなどの事象が発生したもよう。