欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間10月3日に,ドイツのBertelsmannとソニーの音楽事業統合をあらためて承認した。独占禁止法担当委員であるNeelie Kroes氏は,「この統合事業による競争の問題はまったく無い」と述べた。

  Bertelsmannとソニーは,両社音楽事業を統合した新会社Sony BMG Music Entertainment(Sony BMG)の設立計画を2004年1月9日にECに報告した。ECは2004年5月24日,統合計画が欧州共同体法で容認できる範囲ではないことを両社に通知したが,審理を行った結果,2004年7月18日に統合計画を承認した。

 しかし2004年12月3日,独立系音楽制作会社の団体Independent Music Publishers and Labels Association(Impala)が欧州第一審裁判所にECの承認取り消しを求める申し立てを行った。 同裁判所は,ECの判断が無効であるとする判決を2006年7月に下した(関連記事:「Sony BMGの設立承認は無効」,欧州裁判所の判決)。

 ECはこの判決以来14カ月にわたって,欧州経済領域15カ国におけるレコード業界の競争動向に関する膨大なデータ分析を含む調査を実施したという。2002~2006年のCD販売や2004年以降のデジタル音楽ライセンシングなどを詳細に調べたが,「事実上の反競争的影響,あるいは反競争的影響らしきものを示す証拠は見つからなかった」としている。

[発表資料(ECのプレス・リリース)]
[発表資料(Bertelsmannのプレス・リリース)]