写真1●ワイヤレス給電システム「U-Trans」のデモ
写真1●ワイヤレス給電システム「U-Trans」のデモ
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 ユー・ディ・テックは幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の「CEATEC JAPAN 2007」で,携帯電話機にワイヤレスで給電できる「U-Trans」システムの評価キットを展示している。接点やコネクタの無い充電台に携帯電話機を載せるだけで充電が始まる(写真1)。

 U-Transは,コイルの電磁誘導によって送電するシステム。500円玉を一回り大きくした大きさのコイル(写真2)から,携帯電話機に内蔵したコイルにワイヤレスで送電できる様子をデモしていた。充電用接点やコネクタが不要になるため,コネクタを接続するわずらわしさ,接点の劣化や接点からの浸水などを無くせるのがメリットだ。

 ワイヤレス給電は,各種デバイスのケーブルを根絶できる技術として,各社が開発に取り組んでいるもの。U-Transの特徴は,鉄芯を使わないコイル(空芯コイル)で最大200Wの電力を25%程度の損失でワイヤレス給電できることと,誤充電などを防ぐための認証機構を組み込んでいること。空芯コイルのため軽量化・小型化が可能で,今回の展示ではネットツーコムの開発用無線IP端末「WiPCom1000」の外装を変更することなく,評価キットを組み込んでいる(写真3)。製品化に際しては,現行の評価キットで複数の部品に分かれている制御用部品を一体化し「電池パックに組み込む形態も開発中」(ユー・ディ・テックの説明員)とする。

 評価キットは出荷済み。製品化は2008年以降を予定する。携帯端末向けシステムの価格は「スマートフォンなどの少量生産機で採用された場合で,送電部が数ドル,端末側の受電部と合わせても10ドルを切る程度。採用機種が増えればさらに安価になる」(説明員)という。

写真2●U-Transの評価キットの送電部。携帯電話機の充電台を模している
  写真3●ネットツーコムの開発用無線IP端末「WiPCom1000」の外装を変えずにU-Transを実装
写真2●U-Transの評価キットの送電部。携帯電話機の充電台を模している
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  写真3●ネットツーコムの開発用無線IP端末「WiPCom1000」の外装を変えずにU-Transを実装
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