東芝は、千葉市の幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2007」会場において、AVノートパソコン「Qosmio」の次世代機を参考出展している。従来製品に比べ、動画処理の性能を飛躍的に向上させており、それを生かして動画処理関連の多様なソフトウエア処理を実演展示している。
同製品には、同社と米IBM、ソニー、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が共同開発したマイクロプロセサ「Cell」を基にした動画処理LSI「SpursEngine」を搭載している。従来はCPUで処理していた動画関連の演算をSpursEngineに肩代わりさせることで、動画処理に関する性能が従来製品より大幅に向上している。
手の動きで操作、テレビ番組の「顔一覧」作成……
会場ではSpursEngineを活用した数種類のデモンストレーションを実施している。例えば「ジェスチャリモコン」は、人間の手指の動きをリアルタイムに認識して、パソコンを操作することが可能。パソコンの前に人間が立ち、カメラの前で手を動かすと、その動きに応じて所定の処理を行う。
例えば手を開いて手のひらを見せると、動画の再生/一時停止の切り替えが可能。また手を握ってジャンケンのグーの形にすると、メニュー画面が現れマウスカーソルを操作できる。この状態で上下左右に動かしてカーソルを移動し、親指を立てて項目を選択する。
「顔deナビ」は、動画の中から自分の見たい部分を簡単に探せるようにしたもの。Qosmioを使ってテレビ番組を録画する際、番組に出演した人物の顔写真の一覧をリアルタイムに作成する。後日番組を再生する際、メニュー画面上に登場人物の顔写真の一覧を表示する。顔写真一覧は時系列と登場頻度に応じて並んでおり、視聴者が任意の顔を選ぶと、その顔が映っていた場面から再生できる。これにより、視聴者が見たいと思う場面を簡単に探し出し視聴できるようにしている。
このほか、標準画質で撮影した映像をハイビジョン画質に変換するソフトや、動画像に映った人の顔に髪の毛や目などのパーツを貼り付けるというエンターテインメント系ソフトも実演展示している。