基調講演で登壇したマイクロソフトの眞柄氏(撮影:皆木優子)
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WPFを使って作成された「楽天ランキングTOWN」
WPFを使って作成された「楽天ランキングTOWN」
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新サービスでユーザー層を広げたいと話すレーベルゲートの今野氏(撮影:皆木優子)
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Windows Liveフォトギャラリーのデモ。複数の滝の写真を組み合わせ、パノラマ写真を作成
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「Windows Digital Lifestyle Consortium」で業界を超えた連携を目指す
「Windows Digital Lifestyle Consortium」で業界を超えた連携を目指す
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 「業界を超えて、デジタルライフスタイルに革新をもたらす」――。2007年10月2日に開幕した「CEATEC JAPAN 2007」で最初の基調講演に登壇したのは、マイクロソフトの執行役専務 デジタルライフスタイル推進・OEM担当の眞柄泰利氏だ。デモを交えながら、新しいデジタルライフスタイルを創造するための施策について語った。

 マイクロソフトがCEATECに出展するのは、今回が初めて。眞柄氏は「パソコンやソフトウエア、ハードウエアがそれぞれ独立していては、これからは成り立たない。これらが融合することで生活がどう変わるのか、が大切」と、ITとエレクトロニクスの総合展に出展を決めた理由を話した。そして、これから業界を挙げて新たなライフスタイルの創造に取り組んでいくと宣言。パソコンやソフトウエア、周辺機器ベンダーなど従来のパートナーとの協業を強化するだけでなく、コンテンツやサービスの提供者など、異業種間の連携にも取り組んでいくとした。

 その一例として発表したのが、「楽天ランキングTOWN」。楽天が2007年10月中旬からベータ版を提供開始予定の、Windows Vista用のガジェットだ。デスクトップの右端で楽天の最新情報を常に確認できる。ガジェットをクリックすれば、リッチな画面が起動。Windows Vistaの画面描画機構「Windows Presentation Foundation(WPF)」を基に作成したアプリケーションで、3Dグラフィックスやアニメーションなどを多用したユーザーインタフェースを使いながら、楽天のランキング情報を見ることができる。

 2007年10月2日にサービスが始まったレーベルゲートの「“mora win”Type1 Music Store」は、同社の今野敏博社長が登壇してデモを披露。Windows Vistaが標準搭載する「Windows Media Player 11」向けのサービスで、同社が配信する約50万曲の中から楽曲を素早く探せるのが最大の特徴だ。初回利用時に、曲名や歌手名のデータをダウンロード。するとVistaパソコン内で検索用のインデックスが自動的に作られるため、高速な検索が可能になる。例えば「中」と入力するだけで、「中島美嘉」や「中森明菜」など、適合する歌手や曲名が瞬時に絞り込まれる。「この機能を通じて新しい音楽に出会えることも多い。今よりも幅広い層に、音楽をダウンロードして楽しんでもらえるのではないか」(今野社長)。同様の機能を、J-WAVEのインターネットラジオサービス「Brandnew-J」でも利用可能にし、オンエアされた曲を簡単に探し、mora winで購入できるようにした。

 同時に、マイクロソフトは自社のインターネットサービス「Windows Live」も強化する。オンラインサービス事業部の笹本裕事業部長らが登壇し、現在提供中のベータ版サービスのデモンストレーションを実施した。例えば「Windows Liveフォトギャラリー」を使って、複数の写真を一枚にまとめ、パノラマ写真を作る作業などを実演した。

 講演の最後に眞柄氏は、「Windows Digital Lifestyle Consortium」と呼ぶコンソーシアムを2007年11月に発足することを表明。多種多様なパートナーと共に、Windows Vistaを核とした新しいデジタルライフスタイルを作り上げていくことを目的とする。NEC、シャープ、東芝、富士通の4社が既に参加を表明しており、発足時までに数十社の企業が参加する見込みという。