サービスの概念図。緊急地震速報の対象地域のユーザーにだけ警告メッセージを発出する。震源に近い地域では間に合わない可能性もあるが、無料の標準サービスということで今後の広がりが予想される
サービスの概念図。緊急地震速報の対象地域のユーザーにだけ警告メッセージを発出する。震源に近い地域では間に合わない可能性もあるが、無料の標準サービスということで今後の広がりが予想される
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTドコモは、2007年末までに自社の通信網を用いた緊急地震速報の配信サービスを開始する。同年の年末商戦に発売予定の次期端末「FOMA 905iシリーズ」に、緊急地震速報の受信機能を標準搭載する。同製品のユーザーであれば無償で緊急地震速報を受信でき、事前の申し込みも不要となる見込み。

 千葉市の幕張メッセで開催している「CEATEC JAPAN 2007」会場の同社ブースにおいて、緊急地震速報の配信システムを開発する意向を表明した。気象庁から緊急地震速報が発出されると、対象地域の基地局のカバー範囲にいる契約者全員に緊急地震速報を一斉配信する。警報配信の所要時間については、「気象庁の警報発出からユーザーへの配信完了までを10秒以内とするよう準備している」(NTTドコモの説明員)という。

 画面に文字で警告を表示するほか、通常時の着信音や操作音と異なる専用の警告音を発することで、ユーザーが即座に異変に気付くようにする。ただし「緊急地震速報を受信できるのは待ち受け状態の端末だけ。音声通話やパケット通信中の端末では受信できない」(NTTドコモの説明員)という。

 同社では緊急地震速報を標準サービスとして無償提供する理由について、「安心・安全に関わるサービスなので広く提供するのが望ましいと考えた」(NTTドコモの説明員)とする。現時点では一般消費者が緊急地震速報を受信する手段が限られていることから、価格や他社の動向次第では、緊急地震速報の受信機能がFOMA 905iシリーズの大きな購入動機の一つになる可能性がある。

■変更履歴
記事公開時、「パケット通信網を用いた緊急地震速報の配信サービスを開始する」としていましたが、パケット通信網ではありませんでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/10/02 21:50]