米Adobe Systemsは米国時間10月1日に,アプリケーション実行環境「Adobe Integrated Runtime(AIR)」およびソフトウエア開発キット「Adobe AIR Software Developer's Kit(SKD)」の最新ベータ版を公開した。米イリノイ州シカゴで開催中の開発者向けカンファレンス「Adobe MAX 2007」では,米eBayをはじめとする多数の企業がAdobe AIRベースの新たなアプリケーションを披露する予定。

 米eBayは,オークション・サービス向けデスクトップ・アプリケーション「eBay Desktop」のベータ版を公開した。開発コード名「San Dimas」で開発を進めていたもので,eBayや他のオークション・サイトにおける特定アイテムの出品および入札動向をユーザーに通知する。ユーザーは,頻繁にオークション・サイトや電子メールをチェックする必要がなくなる。eBay Desktopベータ版は,eBayのWebサイトより無償でダウンロードできる。

 Adobeによると,米Time Warner傘下のAOL,フランスのBusiness Objects,米Nasdaq Stock Market,米Nickelodeonの「Nick.com」,米eBay傘下のPayPal, 米Salesforce.com,ドイツのSAP,米Yahoo!などもAdobe AIR対応に取り組んでいるという。

 また,Adobeはビデオ再生ソフトウエア「Adobe Media Player」のプレ・リリース版を公開した。Adobe開発によるAdobe AIRベースの第1弾アプリケーションとなる。より高画質のFlashコンテンツを再生でき,ビデオをダウンロードしてオフラインで視聴することが可能。ビデオ検索,フルスクリーン再生,ワンクリックの格付け機能を備えるほか,お気に入りのテレビ番組やビデオ・ポッドキャストの新しいエピソードを自動ダウンロードできる。クロスプラットフォーム対応で,RSSやSMILなどの業界標準をサポートする。

 大手テレビ放送ネットワークの米CBSやビデオ配信サービス「Yahoo! Video」,ビデオ共有サイト「Blip.tv」「Fora.tv」「Motionbox」などが,Adobe Media PlayerへのサポートでAdobeと協力するという。

 Adobe AIRおよびAdobe AIR SDKの最新ベータ版,Adobe Media Playerのプレ・リリース版は,AdobeのWebサイトで無償公開している。併せて「Adobe Flex Builder 3」「Adobe Flex 3 SDK」のベータ2も提供を開始した。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]
[発表資料(3)]