写真1●LUNARRの文書作成画面
写真1●LUNARRの文書作成画面
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写真2●LUNARRのメール作成画面
写真2●LUNARRのメール作成画面
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 元サイボウズの高須賀宣氏が設立した米LUNARRは10月2日(日本時間)、インターネット経由で利用できるコラボレーション・ソフト「LUNARR」のアルファ版を提供開始した。同ソフトは文書とメールを関連付けて作成・管理するソフト。「メールとWikiのよいところを合わせたようなものだ」と同社の山本勝氏は説明する。文書とメールを一体管理することで企業内での業務上のコミュニケーションを円滑にすることを狙う。

 具体的な使用方法はこうだ。まず、IDとパスワードでLUNARRのシステムにログインし、画面上の「New doc」のタブを押して文書作成画面を開く。その画面では、米グーグルが提供する「Google Docs & Spreadsheets」のようにワープロ・ソフト感覚でブラウザから文書を作成できる(写真1)。けい線や表を描けるほか、あらかじめ用意してある文書のひな型を利用することも可能だ。

 文書を作成したら、画面上でその文書の「タブ」になっている部分をクリックする。すると、メールを作成する画面になる(写真2)。「文書作成画面とメール作成画面は常に1対1で用意してあり、表と裏の関係になる。画面上も紙を裏返したようなグラフィックを使い、直感的に分かりやすいようにした」と山本氏は言う。

 LUNARRのメール作成画面からメールを送ると、(相手もLUNARRのアカウントを所有している場合)相手の画面にはログイン直後にメールを受信した表示になる。それをクリックすると送信者が作成した通りに、文書とメールが表と裏で対応付けられた状態の画面を見ることができる。

 いつ誰が、文書やメールを作成したか、それらを誰が受け取ってどのように改変したかなどは、すべてサーバー上に記録され、文書をやり取りしている者同士であれば常に共有できる。過去の時点の文書を見たいときはいつでも参照できる。この機能により、これまでメールに文書ファイルを添付して送る際には必要だった、文書ファイル名を少しずつ変えるなどのリビジョン管理の手間が省ける。また、送受信したメールを案件ごとにフォルダに分類する必要もなくなる。

 マイクロソフト製Office製品で作成した文書を共有したいときには、LUNARRのメールにファイルを添付することができる。添付履歴はサーバー上に残るので、「LUNARRで作成した文書でなくてもリビジョン管理の手間が省ける」(山本氏)

 LUNARRはインターネット経由の利用だけを想定しており、ソフトの売り切りは考えていないという。今後は、来年にベータ版の提供を開始し、2009年に有償の正式版をリリースする予定。アルファ版、ベータ版は無償で利用できるが、既存ユーザーがLUNARRから送る招待状を受け取る必要がある。招待状を受けたユーザーは50人にLUNARRを紹介する権利を持つ。