米Googleによる米DoubleClick買収計画について,米国時間9月27日に上院司法委員会で聴聞会が開かれ,Googleと,同計画に反対する米Microsoftがそれぞれ意見表明を行った。

 Googleは今年4月13日にDoubleClickを31億ドルで買収する計画を発表した(関連記事:Googleが過去最大の企業買収,DoubleClickを31億ドルで)。その翌日,Microsoftは米国政府に対し,「Googleによるオンライン広告市場の独占につながる」として買収を阻止するよう公に訴えた(関連記事:Microsoft,GoogleによるDoubleClick買収の阻止を米国政府に要求)。また複数の団体が同買収計画への異議を申し立てている(関連記事:GoogleのDoubleClick買収計画にプライバシの懸念,3団体がFTCに申し立て)。

 聴聞会で,Microsoft副社長兼法務顧問のBrad Smith氏は「オンライン広告は急成長しており,インターネットとデジタル経済の動力源になっている」と,インターネットの未来を左右するものとしてオンライン広告を重視していることを明らかにした上で,同買収計画が真剣に検討するべき多数の深刻な問題を提議していると指摘した。

 同氏は中でも重大な懸念として,同買収計画が実現した場合,あらゆるオンライン広告のパイプラインをGoogleがほとんど独占してしまう非競争的状態と,ユーザー情報の最大データベースを支配することによるプライバシへの影響を挙げた。

 一方,Google企業開発担当上級バイス・プレジデント兼最高法務責任者のDavid Drummond氏は,「オンライン広告は消費者に恩恵をもたらし,自由な発言を促進し,小企業の成功を支援する。当社のDoubleClick買収はこれらを推進しつつ,消費者のプライバシを保護し,より優れた革新と競争および成長を可能にする」と説明する。

 また米メディアの報道(NYTimes.com)によると,Drummond氏はMicrosoftの米aQuantive買収(関連記事:Microsoft,オンライン・マーケティングのaQuantiveを約60億ドルで買収へ)と米Yahoo!の米Right Media買収(関連記事:ヤフー,自動ネット広告取引所のRight Media買収へ--総額6億8000万ドル)について言及し,「オンライン広告市場には強力な競争が存在する」と述べた。

[発表資料(Googleのプレス・リリース)]
[発表資料(Google公式ブログへの投稿記事)]
[発表資料(Microsoftのプレス・リリース)]