「オレゴン州はオープンソースのメッカになっている」---米国オレゴン州運輸局CIO Ben Berry氏は9月27日,LinuxWorld OpenSolutions Conference 2007の基調講演で同州におけるオープンソース・ソフトウエアに関する活動を紹介した。
オレゴン州には,多くのオープンソース関連組織や施設が集積している。Linus Torvalds氏がフェローとして在籍するThe Linux FoundationやIBM Linux Technology Center,オレゴン州立大学のOpen Source Lab,そしてOpen Technology Business Centerだ。
オレゴン州立大学のOpen Source Labは約140台のサーバーでMozillaやFirefox,Apache,OpenOffice.orgなどをホスティングしており,1日に400万件のダウンロードがあるという。またOpen Source Labでは毎年,政府のオープンソース利用や政策に関するカンファレンスGovernment Open Source Conferenceが開催されている。米GoogleはOpen Source Labに35万ドルの寄付を行っている(関連記事)。
Open Technology Business Centerはオレゴン州が支援するNPO(非営利組織)で,オープンソースのスタートアップ(ベンチャ)企業を対象としたインキュベーション施設である(Open Technology Business Center紹介資料の日本語版[PDFファイル])。
オレゴン州政府でいくつのオープンソース・ソフトウエアが使用されているか,スキャンしたところ,32597のオープンソース・ソフトウエアが存在した。ただし,内訳を見るとJava Runtime Environmentが63.9%を占めており,その多くは他のソフトウエアに付属してきたもので,意図して導入されたものではない。
オープンソース・ソフトウエアを活用するための施策としては,各種のオープンソース・ライセンスを研究し,ライセンス違反となるようなリスクを軽減しているという。
Berry氏は将来構想「Open technology innovation Manufactuaring」として、オープンソースの開発モデルを製造業にも適用して革新を生み出していきたいと語った。