米MontaVista Softwareは米国時間9月26日,携帯電話向けOSの新版「Mobilinux 5.0」を発表した。ダイナミックな電力管理,性能向上,セキュリティ強化などに向けて,さまざまな技術を取り入れたという。

 Mobilinux 5.0はLinuxカーネル2.6.21を採用。5秒以内に起動し,10秒以内に電話がかけられ,「SymbianやMicrosoftベースのデバイスと比べ3.5倍高速で,iPhoneより2.5倍速い」(同社)。

 タッチスクリーン操作,電子メール処理,BluetoothおよびWi-Fi接続,ビデオカメラ,マルチメディアやAdobe Flashなどをサポートするほか,開発者はLinuxユーティリティを用いて簡単にカスタム機能を構築することが可能。

 Mobilinux 5.0の主な特徴は以下の通り。

  • 米国家安全保障局(NSA)が中心となって開発しているLinuxベースのセキュアOS「Security-Enhanced Linux(SELinux)」をモバイル向けにしたMontaVistaの「MicroSELinux」を採用
  • SDIO,Wi-Lan/Wi-Fi over USB,Bluetooth over USB,USB On-The-Go,ALSA,GStreamerなど,各種インタフェースやドライバをサポート
  • ハイレゾリューション・タイマー(hrtimers),高速ミューテックス,堅牢なIRQハンドラ,優先度継承および優先度キューなどを含むリアルタイム性能を拡充
  • 基本機能を搭載した一般的な携帯電話なら最小2Mバイトで動作可能
  • シングルコアおよびマルチコア・プロセサをサポート

 Mobilinux 5.0は,2007年11月に世界で利用可能となる。当初は米Texas Instrumentsの携帯電話向けプロセサ「OMAP 2430」を,続いて「OMAP 3430」をサポートする。2008年に,新たに6プラットフォームへの対応を予定している。

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