セキュリティベンダーの英ソフォスは2007年9月25日(現地時間)、中国メディアの報道を引用し、2007年1月末に出現したウイルス「Fujacks」の作者に対して、複数の企業が採用を申し出ていることを伝えた。同ウイルスの被害に遭った企業からもオファーがあるという。
Fujacksは、実行形式ファイル(.exe)に感染するウイルス。Fujacksに感染したファイルを実行すると、パソコン中のすべての実行形式ファイルにFujacksを埋め込んで感染を広げる。同時に、感染したファイルのアイコンをパンダの絵に改変する(図)。このため、「パンダウイルス」などとも呼ばれる。
同ウイルスの作者とみられる人物には、中国湖北省の人民裁判所から、禁固4年の判決が下されたばかり。しかしながら、この人物の弁護士によれば、およそ10社の企業から、この人物を採用したいという申し出があるという。
その中には、同ウイルスの被害に遭った企業が含まれる。その企業は中国の杭州にあるIT企業で、100万元(およそ1500万円)でこの人物を雇いたいとしている。
このような動きに対して、ソフォスの上級技術コンサルタントであるグラハム・クルーリー氏は、「ウイルス作成が採用につながる」といったメッセージを発するべきではないと警告。今回のウイルス作者は、多数の被害をもたらした犯罪者であり、こういった人物に採用の申し出をすることは、恥ずべき行為であるとしている。