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 マイクロソフトと産経新聞社は9月25日、両社が共同で運営するWebサイト「MSN産経ニュース」を、10月1日に開設すると発表した。新聞紙上に掲載したニュースを載せるだけではなく、「スクープ記事でも紙の締め切りを待たずに、どんどんWebへ出していく」(産経新聞の住田良能社長、写真右)という。

 同サイトでは、速報記事だけでなく、これまでは紙媒体への掲載を優先してきた連載記事、解説記事なども掲載する。「取材した情報をいち早くWebで伝える『Webファースト』にとどまらない。価値が高い情報ほど、ネットでより詳しく報道していき、質・量ともに充実した『Webパーフェクト』を目指す」(住田社長)。

 産経新聞の住田社長は、「もはや紙かネットかという、二者択一の議論をしている時代ではない」と指摘。「ニュースへのアクセス手段が多様化している中、紙とネットの壁を壊し、21世紀の報道のあるべき姿を実現する」(同)。

 現在、産経新聞が運営している「SankeiWEB」は、8月のユニーク・ユーザー数が1600万人、ページ・ビューが3億5000万。新サイトによって、これらを数倍にすることを目指すとしている。

 マイクロソフトは、Windows LiveをはじめとしたWeb技術を使って、同サイトの開発・運営に携わる。活用する技術の1つが「サイドビュー」。ページ中のハイパーリンクにマウスを重ねると、フキダシが表示される。フキダシにはリンクの文字をキーワードにしてWebを検索した結果を表示する。このほかにも、インスタント・メッセンジャーを使って複数のメンバーと記事について議論する機能、Windows Vista向けの簡易ニュース・リーダーなどを提供する。

 マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長(写真左)は、「今回は始まりに過ぎない。今後もさまざまな技術で、デジタル・コンテンツの充実を支援する」と話す。動的なWebサイトを作る技術「Silverlight」を活用したり、Windows Mobile機器向けのニュース・リーダーを開発することなどを計画しているという。