発展途上国の子供向けに低価格ノート・パソコン提供を進める100ドルPCプロジェクトの非営利団体One Laptop Per Child(OLPC)は9月24日(米国時間),発展途上国に対する売れ行きが予想を下回っていることを示したうえで,北米で年内にノート・パソコン「XO」を販売すると発表した。なお,北米での販売活動は,全世界の恵まれない子供達にもよい影響を及ぼす。OLPCが北米でノート・パソコンを1台販売すると,発展途上国の子供に1台無償提供できるのだ(関連記事:100ドルPCプロジェクトのOLPC,2007年10月より量産開始)。

 北米を対象とするこの計画「Give 1,Get 1」(1台提供して1台入手しよう)で,OLPCは米国とカナダの消費者にノート・パソコン「OLPC XO」を発展途上国向け予定販売価格の2倍をやや上回る399ドルで販売する。このような高い価格を設定することで,OLPCは入手条件を満たす子供に2台目のノート・パソコンを無償提供できる。また購入者は,税金の控除を受けられる。OLPCによると,北米向け販売は11月12~26日の期間限定で行う予定という。

 OLPCは国民向け「XO」購入を合意したどこの国からもまた支払いを受けていないため,こうした型破りな手段で販売を活性化する必要があった。全世界で活動を推進しているOLPC会長のNicholas Negroponte氏は「国のトップと合意することと署名済み小切手を受け取ることの差異を,やや過小評価していた。そしてこれまでの状況は期待外れだった」としている。

 米国ではXOに対する関心が驚異的に高く,特に電子ガジェット・ファンは注目している。ただし,399ドルという価格は米Microsoftのゲーム機「Xbox 360」や米Appleのメディア・プレーヤ「iPod」と同程度で,推定188ドルというXOのコストからすると割高だろう。さらに,XOの購入者はほかの国の人に対する援助という意図を認知しているし,購入価格の半分が税控除の対象となる。他者を助けたいだけなら,OLPCに200ドル払ってXOを1台寄付するという方法もある。

 Give 1,Get 1計画と寄付制度の詳細については,OLPCのWebサイトを参照していただきたい。