神戸新聞社はシステム障害のため、9月22日夕刊と23日朝刊の制作ができない状態となり、京都新聞社の支援を受けた。新聞紙面をレイアウトして印刷工程に引き渡す「組版システム」に障害が起こったため。影響で地域版など多くのコラムを休止し、京都新聞から記事の提供を受けている。

 神戸新聞によると、22日朝のシステム起動時から組版システムのデータベースにアクセスできなくなったという。このため2社で結んだ「緊急時援助協定」に基づいて、京都新聞に紙面のレイアウトなど制作を依頼した。印刷については、組版データを高速ネットワークで伝送し、通常通り神戸新聞の工場で実施した。

 同システムは、06年2月にNECをメイン・ベンダーとして開発したもの。「NECの技術者とともに、システムを構築し直すことで23日午前4時に再稼働させたと聞いている」(広報部)という。障害の根本的な原因は23日午前の時点で特定できていない。

 今回の障害によって、22日夕刊はほとんど、23日の朝刊は20面中15面が、それぞれ京都新聞の記事となった。広告については神戸新聞の原稿に差し替えている。神戸新聞は「読者の皆さまにご迷惑をおかけし、心からおわびします。24日朝刊の自社制作に向け復旧作業をしているが、今のところ確定的ではない」(広報部)としている。神戸新聞は兵庫県の地方紙で、発行部数は56万部。