手前が今回の試作品。下部は,外装パッケージが取り外された状態である。カートリッジは見せなかった
手前が今回の試作品。下部は,外装パッケージが取り外された状態である。カートリッジは見せなかった
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試作品の裏側。円形のスポンジの部分と,カートリッジが接触し,燃料が供給される構成とみられる
試作品の裏側。円形のスポンジの部分と,カートリッジが接触し,燃料が供給される構成とみられる
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 米Medis Technologies Ltd.は,同社が開発中の燃料電池利用のポータブル充電器「24-7 Power Pack」で,厚みを1/2程度に薄くした試作品をIDF Fall 2007に出展した。

 24-7 Power Packは,内部に燃料電池セルと,燃料となるボロハイドライドやKOHなどを格納していた。今回の試作品では,燃料のボロハイドライドを外付けの小型カートリッジに収める構成にした。これにより,本体部分を薄型化できたほか,燃料カートリッジを差し替えることで本体を繰り返し利用できる。燃料と一体型だったこれまでの開発品では,ユーザーが本体を再利用することはできなかった。2年後をメドに実際の製品として実現する考えだ。

 薄型化と同時に,内部で利用する燃料電池セルなどの特性を改善することで,出力をこれまでの1Wから1.5Wに高めた。KOHをゲル化する技術など,複数の点を改良したとするが,詳細は明らかにしていない。

 同社は24-7 Power Packについて既に量産を開始していると発表している(Tech-On!の関連記事)。しかし製品が店頭に並ぶのは,「今年の11月ころの見込み」(Medis Technologies社)とする。一般ユーザーが量販店などで購入するまでには,まだしばらく時間がかかりそうだ。