左からNTTドコモの山口善輝氏、スクウェア・エニックスの原口洋一氏、ディー・エヌ・エーの守安功氏
左からNTTドコモの山口善輝氏、スクウェア・エニックスの原口洋一氏、ディー・エヌ・エーの守安功氏
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 国際会議場内で開催された「携帯電話ゲームセッション」。NTTドコモ、スクウェア・エニックス、ディー・エヌ・エーのキーパーソン3人が、急成長を遂げている携帯電話ゲーム市場について語った。

 まずはNTTドコモのプロダクト&サービス本部コンテンツ&カスタマ部コンテンツ担当部長である山口善輝氏が、iモードコンテンツの年間市場規模が2010億に達していると発表。コンテンツ市場がアクティブになる要素として、「端末の高機能化」「通信スピードの高速化」「パケホーダイユーザーの拡大」を挙げた。また、iモードゲームの年間市場規模は約450億(2006 年)であると発表し、あと2年は伸びるだろうと話した。

 人気が伸びているジャンルとしては、誰でも気軽に楽しめる「ミニゲーム」と有名タイトルが強い「RPG」を主に挙げた。後者はメガゲーム対応端末が増えたことでコア層に定評があり、逆にライト層には直感ゲームが人気だという。ドコモとしてはメガゲームを50以上、直感ゲームを30以上、2007年秋冬にリリース予定だという。

 次に、スクウェア・エニックスのコーポレート・エグゼクティブ兼モバイル事業部長である原口洋一氏が壇上に上った。原口氏がまず取り上げたのは、携帯ゲームの進化のスピードだ。2000年代初頭から数年でアプリ容量は20kbから500kbに、画面サイズは128×128ドットから240×240 ドットへとアップし、2004年3月には『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』の2大RPGが携帯ゲームに移植。ケータイでRPGが遊べるようになったこの時を、原口氏は「新たなハードが誕生した瞬間」と語った。

 2006年にはメガアプリが登場し、容量との戦いは終焉(しゅうえん)を迎えた。携帯ゲームでありながらフル3D、フルボイスを実現し、作品の幅が大きく広がったとしている。ただ、高品質なゲームが作られるようになった半面、開発コストと開発期間もまた増大する。そのため、ハードとシンプルの二極化は今後も進むだろうと原口氏はまとめた。

 最後に登場したのは、ディー・エヌ・エーの取締役ポータル・コマース事業部長である守安功氏だ。守安氏は同社が運営するケータイサイト「モバゲータウン」について話し、同サイトがケータイ向けSNSでページビュー数No.1を誇るに至るまでを明らかにした。モバゲータウンは無料ゲームで集客し、アバターの購入で課金するシステムを採用。無料ゲームには分かりやすいカジュアルゲームをそろえ、mixiに近いSNS機能を充実させた。また、「モバゴールド」と呼ぶ仮想通貨の導入によりバーチャルな経済圏を確立し、会員数や収益増加につなげた。さらに、コカ・コーラとの共同キャンペーンなどにも取り組み、今では10代に絶大な人気を誇るサイトとなっている。守安氏は最後に「今後も積極的に新サービスを投入していく」と話した。

 その後に行われた3人そろってのセッションでは、原口氏、守安氏ともに直感ゲームの制作に対する前向きな姿勢を示した。また、ニンテンドーDSなどの携帯ゲーム機に関する問いには、携帯電話はあくまで電話であり、ゲームとぶつかることはないと回答。これは3人ともほぼ同じ見解だった。今後期待できる市場については、「今までゲームをやらなかった人たち」(山口氏)、「海外」(原口氏)、「20~30代」(守安氏)と、三者三様のターゲットを見据えていた。