TGSフォーラムの専門セッション「キャラクターセッション」では、これまで女児向けゲームビジネスの展開は難しいとされてきた状況が、携帯ゲーム機の普及によって変わりつつあることが、各パブリッシャーによって語られた。

 本セッションでは携帯ゲーム機の普及によってビジネスチャンスを見出しつつあるバンダイナムコゲームス、フロム・ソフトウェア、小学館の各社のプロデューサーのリレートークと、パネルディスカッションが行われた。

 リレートークではバンダイナムコゲームス、CSカンパニー第2プロダクション第4課の岡香織氏が、女児向けマーケットでの同社最大の売れ筋である『たまごっち』シリーズ顧客層の低年齢化について、低年齢層を新しい顧客として積極的に取り込むことを語った。またその一方で、アニメを原作とする『プリキュア』シリーズや、男子にも女子にも人気の高い『銀魂』、年齢層が上の女性も対象層に含める『DUEL LOVE 恋する乙女は勝利の女神』なども展開し、女児にとどまらず様々な年齢層の女性のファンを獲得したいと述べている。

 フロム・ソフトウェア、企画制作部企画課の武村大氏は、これまでの硬派で骨太なイメージでライトユーザーから敬遠されてきた状況から脱出し、新しい可能性にチャレンジするため、『ハローキティのおしゃれパーティーサンリオキャラクターずかんDS』を開発した、とコメントした。フロム・ソフトウェアが培ってきたパーツなどのカスタマイズ技術が活かされ、豊富な着せ替えパターンを実現できたのだという。今後も従来の同社とは違った方向性や、他社とのコラボレーションによる新しい価値観の創造に挑戦したい、とコメントしている。

 小学館、キャラクター事業センターキャラクタープロデュース課の沢辺伸政氏は、同社のコミックが原作となったアニメ『きらりん☆レボリューション』が、ゲームを含めた様々なコンテンツの連携によって成功を収めていると語った。コミックやアニメの作品としての魅力もさることながら、各玩具メーカー同士の連動企画や、小学館の学年誌やイベントでの豊富な情報発信、アンテナショップの常設などが、プロジェクトの成功につながっているのだという。『きらりん☆レボリューション』はこれからもアニメの世界進出などさらなる躍進を目指す、とコメントした。

 リレートークの後は「女の子マーケットの捉え方」をテーマとしたパネルディスカッションが開かれ、各プロデューサーが女児向けマーケットの展望などを語った

バンダイナムコゲームスの岡香織氏。リレートークでは、これから変動を迎えつつある女の子マーケットにおける、それぞれのアクターの戦略が展開された
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かわいらしい女の子向けコンテンツがモニターで展開されるなか、聴講者は真剣な雰囲気で市場の動向に聞き入っていた
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