イー・アクセスとソフトバンクは9月20日，モバイルWiMAXを利用した2.5GHz帯無線ブロードバンドの参入で戦略的に提携したと発表した。イー・アクセスが9月10日に設立した企画会社「オープンワイヤレスネットワーク」に出資し，この会社が主体となって2.5GHz帯周波数の事業免許の取得（特定基地局開設計画の認定）を目指す。

　総務省は2.5GHz帯周波数の免許割り当てを「第3世代携帯電話（3G）事業者とそのグループ会社は対象外」とする方針を打ち出している。その具体的な指標として，既存の3G事業者とそのグループ会社は，2.5GHz帯企画/事業会社に3分の1未満しか出資できないとしている。このため，投資会社やインターネット接続事業者（プロバイダ）など6社にも出資を要請。

　企画会社の資本金は現在8億円で，9月28日までに200億5000万円に増資する予定。各社の出資額（比率）は，イー・アクセスとソフトバンクがそれぞれ65億円（32.42％ずつ），ゴールドマン・サックス・グループが45億円（22.44％），シンガポールの投資会社であるテマセク・ホールディングスが23億5000万円（11.72％），NECビッグローブ，ソネットエンタテインメント，ニフティ，フリービットがそれぞれ5000万円（0.25％ずつ）である。ゴールドマン・サックスとテマセク・ホールディングスはイー・モバイルに出資している会社でもある。

　企画会社の社長は現在，イー・アクセスの千本倖生取締役会長が就任しているが，各社の出資が完了する9月28日以降は千本会長とソフトバンクの孫正義社長の二人が代表になる予定である。

　イー・アクセスとソフトバンクは6月21日にモバイルWiMAXの事業化に向けたフィージビリティ・スタディ（事前調査）を共同で実施すると発表済み（関連記事）。その後，両社でそれぞれ実証実験を行いながら検証・分析し，共同による事業化が有効と判断した。免許取得後は企画会社からホールセールを受け，イー・アクセスとソフトバンク，提携プロバイダ4社がそれぞれサービスを提供する予定。具体的な事業内容は免許取得後に発表するとしている。

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