写真●業務・資本提携を発表するジャックスの杉本直栄取締役社長(写真中央)と三菱UFJニコスの大森一廣代表取締役社長(写真左)、三菱UFJフィナンシャル・グループの和田哲也 常務執行役員本部長(写真右)
写真●業務・資本提携を発表するジャックスの杉本直栄取締役社長(写真中央)と三菱UFJニコスの大森一廣代表取締役社長(写真左)、三菱UFJフィナンシャル・グループの和田哲也 常務執行役員本部長(写真右)
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 信販会社大手のジャックスと三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のカード子会社である三菱UFJニコスは9月20日、両社の信販事業を統合することに合意したと発表した。2008年の4月1日付けでジャックスが三菱UFJニコスの信販事業を引き継ぐ。ただし、「信販事業の統合に伴うシステムの統合・変更はしない」(ジャックスの杉本直栄取締役社長)方針だ。MUFGは、信販事業をジャックスに譲渡する一方、2007年度中にジャックスへの出資比率を20%まで引き上げ、傘下に収める。

 三菱UFJニコスは現在、信販事業に関して93拠点、従業員1100人を抱えている。統合前に「コスト構造を改善するため、大幅な業務のスリム化に取り組む」(三菱UFJニコスの大森一廣代表取締役社長)としており、実際にジャックスが引き継ぐのは5拠点、340人になる。債権もジャックスに移るが、「システムに変更を加えずに済むよう、ジャックスから三菱UFJニコスに業務を委託する形を採る」(同)。

 これにより信販事業において三菱UFJニコスが現在保有している債権の回収が終わるまでは、三菱UFJニコスのブランドは残ることになる。新規顧客に関しては、ジャックスの名前でのみ対応する。

 クレジット・カード事業は今後も両社がそれぞれ手掛ける予定だが、「時期は決まっていないが、コンピュータを使った大量のデータ処理業務(プロセシング機能)はスケール・メリットがあるため一元化する方針だ」(三菱UFJニコスの大森社長)。加盟店との契約を管理するアクワイアリング機能についても「一元化の可能性はある」(同)という。

 三菱UFJニコスは2005年、旧UFJニコス時代に現在ジェーシービーが構築している次世代基幹システムを共同利用すると発表した。2009年10月から利用し始める予定で、ジャックスとプロセシング機能やアクワイアリング機能を一元化する際は、このシステムを使用する計画だ。