[画像のクリックで拡大表示]

 ホスティング事業を手掛けるGMOホスティング&セキュリティ(GMO-HS)は9月19日,マイクロソフトが東京都内で開催したWeb開発者向けイベント「REMIX07」の講演で,Flash対抗の動画コンテンツ配信ソフト「Silverlight」に関する検証結果の一部を披露した。GMO-HSの佐藤秀忠サーバ企画開発部長(写真)は,Silverlightを利用することで動画コンテンツの配信コストが削減できる点を強調した。

 GMO-HSは,二つの導入事例を通してSilverlightの効果を検証している。一つは,ヤマハフットボールクラブが運営するJリーグ・ジュビロ磐田のWebサイト「ジュビロチャンネル」。もう一つは,女性シンガーソングライター,アイ武川さんのWebサイトである。いずれのWebサイトもSilverlightを導入した理由として,ファンが鮮やかな動画コンテンツを大きな画面で閲覧できることと,トラフィック量が抑えられてファンに快適な動画環境が提供できることを挙げている。

 ジュビロチャンネルの運営者として壇上に上がった,ヤマハフットボールクラブの梅田哲也営業部次長は,Silverlightの導入経緯を次のように話した。「以前はFlashを使って動画コンテンツを公開していたが,小さな画面だった。ファンはもっと高品位なWebコンテンツを望んでおり,どうしようかと思案していたところで,Silverlightを導入することになった」。従来の動画コンテンツを変換してSilverlightに移植したところ,「フルスクリーンでも高品位な動画コンテンツを再生できるようになった」(梅田氏)と評価する。

 続いて,シンガーのアイ武川さんも壇上に上がり,「同年代のファンは,やはりビジュアルを見る。ブログも書いているが,ビジュアルから攻めていけるのは大きいこと。反響が大きく,役立っている」とSilverlightの導入効果を話した。GMOホスティング&セキュリティの佐藤氏は,「武川さんのWebサイトのように,フルスクリーンで動画を再生できる配信ソフトは一部にあるものの,配信コストを抑えられる点がSilverlightの特徴」と付け加えた。

 Silverlightを導入した二つのWebサイトでは,「動画の閲覧回数や動画コンテンツの容量は多少増えている。だが,Flashで作った動画コンテンツの配信と比べ,トラフィック量が下がった」(佐藤氏)としている。ただし,どういう環境だとどのくらいのトラフィック量が発生するのか,技術的な詳細はこれから分析する。それが判明し次第,「Webサイトなどを通じて公開し,具体的に示していきたい」(同)と話す。