サン・マイクロシステムズは2007年9月19日,最新OS「Solaris 10 8/07」の機能概要および普及に向けた今後の活動を説明した。

 サンは9月12日に,Solaris 10の最新バージョンとなるSolaris 10 8/07(ハチ・スラッシュ・ゼロ・ナナ)を正式公開した。Solaris 10 8/07の特徴は,(1)LinuxのアプリケーションをSolaris上で動かせる機能「Solaris Containers for Linux Applications」の搭載,(2)インストール機能の向上,(3)ファイル・システムの機能拡張,(4)PostgreSQL 8.2 for Solarisの同こん,などである。

 以上は主にサーバー用途での機能強化だが,デスクトップ用途についても,(1)Webブラウザ「Firefox2.0」およびメール・ソフト「Thunderbird 2.0」の標準搭載,(2)Windows Vistaとの相互運用性向上を狙った日本語フォント(JIS0213:2004準拠)の搭載などがなされた。

 Solaris上でのLinuxアプリケーションの実行については,2004年11月のSolaris 10発表時に実装が公表されていたが,今回ようやく実現した。Solaris 10 8/07(x64/x86版)上で,対応するLinuxディストリビューションの32ビット・アプリケーションが動作するというもの。具体的には,CentOS 3.5~3.8とRHEL3 Update 5~8という,カーネル2.4ベースのLinuxディストリビューションのアプリケーションが動作する。大まかな仕組みは,Linuxカーネルのシステム・コールをSolarisのシステム・コールに変換して実行するというもので,サンによればLinuxアプリケーションの動作速度はほとんど低下しないという。

x86版Solarisの普及促進を狙ったコミュニティの設立を準備中

 サンはまた,x86版Solarisの普及促進を目的に,「Solaris Community for Business(仮称)」という組織の設立を準備していることを公表した。11月に設立する予定。ソフトウエア・ベンダーやハードウエア・ベンダーのx86版Solarisへの対応促進およびシステム構築に関する市場拡大に貢献するために,定期セミナーの開催,検証データや事例の共有などを実施していく計画。既に,シマンテックや日本AMD,日本オラクル,伊藤忠テクノソリューションズ,NEC情報システムズなど約30社が参加を希望しているという。