ファスト サーチ&トランスファの徳末哲一代表取締役社長
ファスト サーチ&トランスファの徳末哲一代表取締役社長
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 ファスト サーチ&トランスファは2007年9月19日、日本市場における事業戦略を発表した。記者会見に臨んだ同社日本法人の徳末哲一代表取締役社長は、「キーワードを駆使する第一世代の検索は終息を迎えた」とし、新しい検索の時代に突入するという展望を披露した。

 その基本コンセプトは「ゼロ・ターム サーチ」(Zero Term Search)。キーワードではなく、過去の行動履歴や通信ログなどに基づいて、ある個人に特化した情報を提供する。具体例として、パーティを開く際に、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の個人情報を寄せ集めることで参加者のお気に入りの音楽を検索する、といった利用方法を示した。8月に発表した、楽天との合弁会社でも、過去の行動履歴や位置情報などを利用した検索サービスを開発する。

 同社が注力するのは、企業の要求に応じてカスタマイズする検索サービス(エンタープライズ・サーチ)である。直接消費者向けの検索サービスを中心とするグーグルとは一線を画する。会見では日本におけるエンタープライズ・サーチ市場の開拓に際して、「事業の収益化」「業務効率の向上」「サーチを基盤とするビジネス・インテリジェンス(BI)による経営支援」という3つの方向性を示した。Web情報だけでなく、社内のERPパッケージやオフィス・ソフト、電子メールなどの情報も一括して検索できるようにする。

 さらに会見では、Google AdwordsやGoogle Adsenseに対抗する「アドモメンタム」を10月に出荷することも明らかにした。