写真:Silverlightで作った映画の予告編配信サイト
写真:Silverlightで作った映画の予告編配信サイト
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 USENは9月19日,同社の動画配信サービス「GyaO」でマイクロソフトのFlash対抗技術「Silverlight」を採用する方針を明らかにした。GyaOは現在,Windows Media Playerを使用しているが,「Macで利用できないという不満が多い」(USEN)という。SilverlightはMacやLinuxにも対応するほか,2008年初頭に登場する「バージョン1.1」からDRM(デジタル著作権保護)機能も搭載するため,Silverlightに移行することにした。

 USENは19日に東京都内で開催されたマイクロソフトのWeb開発者向けイベント「REMIX07」の基調講演で,GyaOの方針について説明した。まずは2007年10月から,GyaOのWebサイトで行っている映画の予告編配信を,Silverlightに移行する。同社のコンテンツプラットフォーム事業部ゼネラルマネージャーの松本武史氏は,Silverlightを採用した理由を2つ挙げている。1つは,Silverlightがクロス・プラットフォームに対応していることだ。

 「GyaOを開始した2年半前から,『どうしてMacでGyaOを見られないのか』という問い合わせが常に多かった」(松本氏)という。GyaOがMacで見られないのは,同社がGyaOの配信サービスを,Windows Media Playerをベースに構築しているためだ。Silverlightであれば,プラグインをインストールすればMacでも利用できるため,Silverlightの採用を固めたという。

 Silverlightの採用を決めたもう1つの理由は,リッチな表現手法を使用できるという点である。「WebではFlashが全盛だが,Flashでできない表現を,Silverlightでより簡便に実現できると考えた」(松本氏)と語る。

 なおUSENはREMIX07の基調講演で,Silverlightを採用するに当たって「マイクロソフトに2つの要望がある」と表明している。1つは,Silverlightのプラグインの普及率を,なるべく早く100%に到達させること。もう1つは,DRM機能を搭載した「バージョン1.1」のリリースを早めることだ。「バージョン1.1は2008年初頭にリリースされると言われているが,できれば2007年内にリリースしてほしい。そうすれば我々も,動きを起こしたい」(松本氏)と語っている。