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 NTTデータなどSIer9社は本日、情報システムの開発における外部設計段階で活用する「発注者ビューガイドライン(画面編)」の公開を始めることを発表した。発注者ビューガイドライン(画面編)は、システム開発における画面を作成するための記述方法や内容の確認の仕方に関する留意点やノウハウをまとめた文書。ユーザー企業とSIerが誤った理解を防いだり、認識のズレが起きないようにしたりするために活用するものである。このガイドラインは 「発注者ビュー検討会」の公式ホームページで公開している。

 2006年4月に発足した「実践的アプローチに基づく要求仕様の発注者ビューの検討会」での成果物の第1弾である。NTTデータや富士通、日立製作所、NEC、構造計画研究所、東芝ソリューションが共同で作成した。「普段はライバルである6社が互いにノウハウを出し合うだけでなく、ユーザー企業である東京証券取引所などの強力を仰ぐことで、充実した内容の成果物を作ることができた」とNTTデータの山田伸一常務執行役員は自信を見せる。

 今後はシステム化の対象となる業務フローやそれに付随する設計要素についての記述・合意方法を定めた「システム振舞い」と、業務システムで扱うデータ構造の記述・合意方法を規定する「データモデル」といった2つのガイドラインを作成する。この作業には6社に加え、新たに日本ユニシスと沖電気工業、TISの3社も加わる。公開時期は2008年3月を予定している。

 9社共同でのガイドライン作成活動は2008年3月で終わる。その後は、情報処理推進機構(IPA)に活動を引き継ぐ予定。さらにユーザー企業でのガイドライン活用を促進するため、日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)と連携すべく打診中だという。