米Time WarnerのAOLは米国時間9月17日,同社が所有するすべての広告プラットフォームおよびネットワークを1つにまとめた新事業部門「Platform A」の開設を発表した。これに伴い,本社を現在のバージニア州ダレスから,広告業界の中心地であるニューヨーク州のマンハッタンに移転させる。同社によると,「インターネット接続事業者から広告ベースのWeb企業へと転身を図るための最終段階に入った」。

 同社傘下のAdvertising.comに,同社が買収した行動分析型ターゲット広告の米Tacoda(買収は2007年7月),モバイル広告の米Third Screen Media(同2007年5月),オンライン広告の独ADTECH(同2007年5月),ビデオ広告配信の米Lightningcast(同2006年5月)を統合し,Platform Aとして運営する。Platform Aの社長には,TACODAの元CEOであるCurtis G. Viebranz氏が就任する。

 AOL会長兼CEOのRandy Falco氏は,「オンライン消費者の細分化が進み,広告主は当社が運営するWebサイトだけでなく,インターネット上にある大規模な広告ネットワークを活用したいと考えている」と述べる。「Platform A配下にあるすべてのサイトを合わせると,オンライン人口の90%以上にリーチ可能」(同社)。

 またAOLは同日,米Hewlett-Packard(HP)と提携し,共同ブランドのポータル,ツールバー,検索機能を提供すると発表した。HPが全世界で販売するデスクトップ・パソコンおよびノート・パソコンにおいて,「myAOL」をベースとした共同ブランドのポータルをデフォルト・ホームページとして設定する。また,ツールバーと検索機能は,出荷する地域に合わせてローカライズする。

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