独立行政法人理化学研究所(理研)は9月14日、文部科学省が推進する次世代の国産スーパーコンピュータ・システムの構成を正式に決定したと発表した。2012年の完成を予定し、性能はその時点での最高速である10ペタFLOPS級を目指している。

 システムは理研と富士通、NEC、日立製作所の共同開発となる。今回決定したシステム構成を基に、詳細設計を進める。従来、高性能スパコンで多く使われていたベクトル型、安価で汎用的なスカラー型の「複合型」となる。NEC/日立製作所がベクトル型、富士通がスカラー型のプロセサやシステムの詳細設計をそれぞれ担当する。設計の受注額は、富士通とNECがそれぞれ13億円。

 今回、発表したのは、政府の総合科学技術会議による評価が9月13日に終了したため。同会議は、実現性能などについて海外動向を考慮する旨を表明している。国産スパコンが目指す10ペタFLOPS級という性能は、現在世界最高速である米IBM機のおよそ35倍。ただし、IBMは現時点で性能が3ペタFLOPS級のスパコンを提供可能としている。